第23話 アンジェラ様との昼食
エリーブラウン11才のお話。
午前中の授業が終わり、昼食時間になっている。エリーは幼年学科第二教棟の廊下を早足で3学年第一教室を目指していた。
エリーはアンジェラが教室にいる事を祈りながら急ぐ。
エリーは教室の前に到着すると、開いている入口から教室内を覗き込む。
教室内の女子学生がエリーに気づいて声を上げる。
「エリーさんよね?」
3人程の女子学生がエリーに近づいて来て、周りを囲んで喋り始めた。
「エリーさん近くで見ると更に可愛いですね。そのツインテールたまらなく可愛いわ」
「アンジェラさんを決勝で破ったエリーさんなのよね。とてもそんな風に見えない。本当に美少女だわ」
「エリーさんてあのブラウン商会の娘さんよね。お友達になってくれないかしら」
女子学生おのおのがエリーに話し掛けてくる。
(なになに、えらく馴れ馴れしい感じ・・・・・・なんか嫌!)
エリーは感情をグッと堪えて顔には出さない。大人の対応をする。
エリーは微笑みながら首を横に傾ける。
「申し訳ありませんが、アンジェラ様はいらっしゃいませんか?」
エリーの声に反応して、教室の奥に座っていた男子学生がエリーの方にやって来る。女子学生はそれに気付きエリーの周りから離れた。
エリーは見覚えのある顔に微笑み話し掛ける。
「ルシア様! あれから、体調の方よろしいでしょうか?」
「エリー嬢、問題無い。心配して会いに来てくれたのだな嬉しいぞ!」
エリーがちょっと嫌な顔をする。
「なんだ、冗談も通じんのか。私は本気でエリー嬢のことを将来の婚約者にしても良いと思っているのだぞ」
エリーがルシアから視線を外し下を向く。
「すまない、冗談が過ぎた。アンジェラ嬢なら、エリー嬢と昼食を一緒に食べるんだて授業終わったら直ぐ出ていったぞ」
エリーが気付くとルシアは直ぐ目の前までやって来てエリーを見下ろしている。
「エリー嬢、思った以上に身長差があったのだな。試合の時はもっと、エリー嬢が大きく見えたが?」
「あゝすまない。アンジェラ嬢は第一教棟に行ったと思うぞ」
ルシアはそう言って顔を少し赤らめる。(なんだ? 俺は四つも下の少女にドキドキしているのか?なんかおかしい・・・・・・)
エリーはルシアを見上げて、顔を少し傾けて微笑む。
「ルシア様ありがとうございます」
そう言うと、ルシアに会釈をして第一教棟に引き返して行く。
(アンジェラ様と行き違い、動かないほうが良かった!)
そう思いながら廊下を歩いていると、前からアンジェラがやって来る。
「エリーさん、探しましたわ」
「アンジェラ様すみません。行き違いになってしまいましたね」
「ジェーン教官からエリーさんが第二教棟に急いで行ったと伺って、引き返してきたのですわ」
アンジェラがホットした顔でエリーを見て言う。
「そんなにわたくしと、お弁当を一緒に食べたかったのですわね。嬉しいですわ」
「あゝはい、それもあるんですが、相談が有りまして」
エリーがアンジェラの顔を見て、ちょっと困った顔をして切り出す。
「この幼年学科に私の昔の名前を知っているものが、もう一人居る様なのです」
アンジェラが怪訝そうな顔になる。
「それは、わたくし以外と言う事ですわね」
エリーが頷く。アンジェラがエリーの顔を見る。
「ここでは何なので中央広場まで移動いたしましょう。続きはそこで」
アンジェラはそう言うと右手でエリーの左手を握り歩き出す。
中央広場に着くと、木陰の端っこのベンチにエリーとアンジェラは座った。
アンジェラがエリーの顔を見て心配そうにしている。
「今日登校中に、軌道車内でね。私の昔の名前を言って来た男の人がいたのです」
アンジェラがエリーの瞳を見て手を握る。
「エリーさん不安なのですわね」
エリーは頷いて、アンジェラの手を握り返す。
「多分、私の昔の知り合いでとは思うのだけど? 敵か味方かわからないのがねちょっと怖いのです」
エリーはアンジェラに対して本音を言った。
アンジェラは微笑んでエリーを見て言う。
「エリーさん、わたくしが付いています。安心して下さい」
エリーはアンジェラを見つめて笑顔を見せる。
「アンジェラ様、優しいね、会えて良かった」
「エリーさん、ではとりあえず、お弁当食べましょうか」
エリーは昼食を摂りながら、ハリーヘイゼル教官との経緯を、アンジェラに詳しく話した。
アンジェラは微笑み言う。
「放課後、わたくしが、ご一緒しますわ! ハリーヘイゼル教官のところに行きましょう」
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