第19話 アンジェラ様の商会訪問2
エリーブラウン11才のお話。
ブラウン商会の正面事務所から慌てたように長身で金髪の男性が出て来る。
エリーが嬉しいそうに声を上げる。
「お父様、ただいま帰りました!」
そうして首を傾けて微笑んだ。
「おおーーっ! エリーお帰り!」
その男性は満面の笑みを浮かべそう言った。そうして、エリーは、横に立っている、アンジェラに微笑んで言う。
「アンジェラ様、紹介致します。私の父、ジョン=ブラウンでございます」
そう言って軽く頭を下げた。
アンジェラはジョンを見る。(これがエリー様のお父様、へえーーっ! 凄いイケメンですわ。お兄様や周りにイケメン男子は多いですけど、これはこれで、年上のおじ様イケメンですわね。なんかドキドキしますわ)
ちょっとアンジェラは恥ずかしそうな顔をして言う。
「わたくし、アンジェラ=クロードと申します、あーーっ、エリー様には大変お世話になっております、今後ともよろしくお願い致しますわ」
アンジェラは軽く会釈する。
ジョンはアンジェラを見て姿勢を正し頭を深く下げる。
「ジョン=ブラウンでございます。外務卿クロード様のご息女アンジェラ様にございますね。娘エリーがお世話になり恐縮至極ございます。今後とも、娘エリー共々ブラウン家をよろしくお願い致します」
ジョンは視線をエリーに向ける。
エリー(お父様目怒ってる、怖いって・・・・・・)
ジョンはアンジェラに向き直り、微笑んで言う。
「アンジェラ様、今日はエリーを、お送り頂感謝しております。甘いお菓子など準備致しましたので。どうぞ、応接間の方へお移り願えますでしょうか」
アンジェラは顔を若干赤らめる。
「あゝ、はい、心遣い痛み入りますわ。でも、わたくしは、エリー様のお部屋の方へお伺いしたいのですが、ダメでしょうか?」
ジョンは少し困った様な顔になって言う。
「ええ、それは構いませんが、エリーの部屋は狭くて、とてもおもてなし出来るスペースはありませんが」
アンジェラは更に言った。
「わたくしは、エリー様ともっともっとお話しして親交を深めたいのですわ。どうか、この願いお聞き入れ下さいませんか」
ジョンは少し考えて言う。
「アンジェラ様、はい、了承致しました。しかし、一つお願いがあるのですが、娘エリーのことは様付けはご遠慮ください。あらぬ誤解を招く恐れがありますので、エリーを敬い大切に思われているのならエリーを守るために、どうかよろしくお願い致します」
アンジェラはジョンの真剣な顔を見て頷く。
「はい、わたくしが軽率でしたわ。配慮に欠けていたことを謝罪いたしますわ。今後はエリーさんとお呼びします」
アンジェラは少し落ち込んだ顔をした。
エリーはアンジェラを見て言う。
「アンジェラ様、それでは参りましょう」
アンジェラはカペラの方を見て言う。
「ここで待ってて下さい」
「しかし、校外ではアンジェラ様から離れるなと御父上様から仰せつかっておりますので。お側を離れる訳には参りません」
カペラが困った顔をして言う。
アンジェラは機嫌悪そうに言う。
「じゃあ、なに、カペラはエリーさんがわたくしに危害でも加えるとでも」
カペラが更に困った顔をする。
「そんな事、思いもしません。ただアンジェラ様に何かありましたら、私が・・・・・・」
エリーがカペラに近寄り、カペラの右手を両手で包み込み優しく微笑む。
「大丈夫です、うちには、警備の私兵もおりますし、万が一、賊が侵入して来たとしても、私がアンジェラ様を必ずお守り致しますから安心してください、ですので、別室でお寛ぎ下さいませ」
カペラは諦めた様に頷く。
「わかりました、そのように致します」
ジョンは少し間を置いて言う。
「エリー、アンジェラ様をお部屋に案内してください」
「従者の方はこちらにおいでください」
それから父ジョンはカペラと何か話している。
エリーの部屋は、商会の塀で囲われた敷地内一番奥の3階建ての母屋にある。10階建ての商会事務所から300m程離れた場所だ。1階が玄関広間及び、応接広間、客室、調理室、2階が家族キッチン、リビング、書庫室、執務室、3階が家族寝室、子ども部屋、衣装部屋になっている。
アンジェラはエリーの後を歩きながら思っていた。(セレーナ様なんて可愛い姿になられたのかしら、もう、なんか、抱きしめてしまいたい気分ですわ)
エリーは後ろを振り返りアンジェラの顔が緩んでいるのを見て言う。
「アンジェラ様、とても幸せそうな顔をしてますね、なにを思われたらそんなお顔になるのですか?」
アンジェラはハット我に帰り言う。
「考えるもなにもないですわ。エリーさんと一緒にいることだけで、わたくしは幸せなのですわ」
エリーは呆れ顔で言う。
「リーザちゃん、転生して劣化した?」
アンジェラは直ぐに答えた。
「そんな事は、ありませんわ」
エリーとアンジェラはエリーの部屋に入った。
「エリーさんの部屋狭いて言ってましたけど、そんな事無いですわ」
エリーの部屋は20畳程の広さがあり、部屋の奥に大きな窓がありベットと机と椅子、中程に大き目の本棚が2セット、手前に少し大きめのテーブルと椅子が4脚あった。
アンジェラが手前の椅子に座った。
「それでは、セリーナ様お話を」
エリーがちょっと慌て様子で声を上げる。
「ちょっと待って、お菓子と紅茶が運ばれて来るから、まだダメ、それに、鍵締めるから」
アンジェラがビクッと反応する。
「ええーーっ! わたくしは初めてなので、優しくお願い致しますわ」
エリーが少し残念そうな顔をして言う。
「リーザちゃん、なにかしら、何か別の不純な事考えている感じなのかな?」
「いえ・・・・・・セリーナ様なら別に構いませんわ」
アンジェラが恥ずかしいそうに言った。
しばらくしてドアをノックする音がする。
「はい、どうぞ」エリーが声を掛ける。
ドアが開いて一人女性が入って来た。入室すると女性は深々と頭を下げる。
「アンジェラ様、お初にお目に掛かります。エリーの母、ニールブラウンでござます。娘エリーが大変お世話になっているとの事。今後ともよろしくお願い致します」
紫色のセミロングヘア、茶色の瞳、整った目鼻立ち、すらっと伸びた手脚、明らかに美女そのものだ。
アンジェラは直ぐに椅子から立ち上がり声を発する。
「はい、こちらこそよろしくお願い致しますわ。それにしても、エリーさんのお母様とてもお美しくて声を失いましたわ」
そう言ってアンジェラは軽く会釈した。
「まあ、お戯れを、御容赦くださいませ」
ニールは直ぐにトレーからケーキと紅茶セットを並べる。アンジェラはそれを見て言う。
「お母様、手慣れていらしゃいますわね」
ニールは微笑んでアンジェラを見ると頭下げる。
「はい、基礎は学んでおりますので」
「それでは、お寛ぎ下さいませ失礼致します」
ニールはアンジェラに向き直り頭を深く下げると、ドアを開けて退室した。
エリーとアンジェラは顔を見合わせてお互いに微笑んだ。
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