第2話 専任指導教官ジェーン
エリーブラウン11才のお話。
エリーはジェーンについて暫く歩くと
、校舎群を抜け、公園の様な広場に出る。その奥には円形のちょっと大きなドーム型の建物が見える。
ドーム型の建物の入口に来ると、幼年学科剣技場と書かれた看板が見えた。
「お前の歓迎の催しをしてやる!」
ジェーンが手に下げていたバックをエリーに渡してくる。
「これは、何でしょうか?」
エリーが少し驚いた顔でジェーンを見る。
「剣技修練着だ、お前用だ! 着替えて準備しろ」
剣技場入口から内部に入ると、ロビーが有り、両サイドに更衣室とトイレがあった。
「更衣室で着替えたら、防具をつけてやる、さっさと着替えろ!」
ジェーンが急かした様に言う。
「更衣室はどこに?」
エリーは戸惑いなが言う。
「左側の女子用だ、中のロッカーは適当に使え」
ジェーンは、更衣室のドアを開けて奥のロッカーを指差した。
更衣室内部は、奥にある大き目のすりガラス窓からの光で明るい。エリーは更衣室内部に移動してバックを開け修練着を取り出した。
「着替えたら出て来い!」
そう言うとジェーンはドアを閉めて出ていった。
エリーは(今から何が始まるのかしら? とりあえず着替えないと)
エリーは制服を脱ぎ、下着姿になって修練着を着込んで行く、サイズは若干大き目の様だ。白色の修練着、上下セパレートでウエスト部は紐で絞って縛り固定する、上着は前面をファスナーで締めるタイプ、左胸の部分にエリーブラウンと名前が刺繍されていた。 最後に剣技用ショートブーツを履いて靴紐を絞り固定して着替えは完了した。
エリーは制服と靴をロッカーに入れ、更衣室から出た。
ジェーンは機嫌悪そうな顔でエリーを見て「出来たか、こっちに来い!」
エリーがジェーンの後ろに着いて行くと、剣技場室内の開けた空間が広がる、奥行き100m、幅は70m、天上高15mくらい有りそうだ。床面は白線表示が有りブロック分けされ、天上部分はガラス張りで明るい光が差し込んでいる。
内部空間の四隅には10m程のスペースが有りベンチと棚があった。
ジェーンとエリーは右側一番手前の隅のスペースに入る。
ジェーンが棚から防具一式を取り出す。
「お前は一番小さい女子用だな、これを着けろ!」
ジェーンはエリーに胴の防具を着けようとする。
「ジェーン教官、自分で装着出来ます」
エリーがそう言うと、ジェーンbは不服げな顔をする。
「なら、自分で出来るといえ!」
エリーは教官を見る。(ジェーン教官なんか、機嫌悪いな、口調が怖いけど・・・・・・)
エリーは防具一式手慣れた感じで装着して、ガタ緩みを確認した。
「ジェーン教官出来ました!」
ジェーンがエリーを怪訝そうな顔で見ている。
「まあ、防具装着ぐらいは」
ジェーンがぼっそと言った。
「木剣を選べ!」
ジェーンが棚の扉を開き、指差した。
「じゃあ、これでお願いします」
エリーが棚から木剣を取り出す。
「それで良いのか、長いのでわないのか?」
ジェーンが厳しそうに言う。
「問題有りません」
エリーはちょっと微笑んで言った。
ジェーンは教官用棚から自分専用木剣を取り出す。
「それでは、始めるぞ!」
エリーは少し躊躇った様に言う
「申し訳ありません、教官も防具着用をお願いしたいのですが」
「ちょっと頭の良いだけのひよっこが、叩きのめしてやる!」
ジェーンが突然言い放つ。
「えーーっ! 何で・・・・・・」
エリーは一瞬、困った顔になって直ぐ目を見開いて言う。
「ジェーン教官! 私はトッドさんに剣技指導を受けておりますが! トッドさんは弱者であろうが強者であろうが! 相手には礼節を尽くせと教義されました! 礼節を怠ると剣に驕り濁り怠惰が出ると! 教官は強者なのかも知れませんが、それは、私にでは無く剣技に対する冒涜では無いのでしょうか! 」
「ほーう! 言うな」ジェーンはエリー睨む。
「わかった、防具を着けよう!」
そしてジェーンは防具をつけ始めた。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!
これからも、どうぞよろしくお願いします。