第18話 アンジェラ様の商会訪問1
剣技大会表彰式終了後、5分程度のホームルームで本日の授業は終了となる。
特待クラスはエリーとジェーンだけなので教室に戻る事なく現地剣技場解散となった。
エリーが正門前で待っていると、アンジェラがやって来る。
(やっぱりアンジェラ様、超美少女、惚れ惚れする、でも本当はリーザちゃんだけどね)
「エリーさんはいつも軌道車なのですよね」
「はい、そうですが」
エリーが答えると、アンジェラがエリーの右手を引っ張り正門横の馬車待機場連れて行く。
「うちの馬車でエリーさん家へ向かいましょう」
そこにはクロード家の4頭立ての馬車が止まっている。
「アンジェラ様、馬車通学なんですね」
「ええそうです、旧公爵家ですし、父は外務卿ですから安全も考えて護衛も付いてます」アンジェラは当然と言う様な顔する。
「エリーさん家だって、ブラウン商会の娘さんですよね、国内でも有数な商家のお嬢様が、護衛も無しで通学されているのですか?」
エリーは少し考えた顔して。
「いいえ、まあ、お父様の手配で、目立たない様に2人程護衛はハリ付いております」
アンジェラは嬉しそう顔になって。
「そうですわよね、こんなに目立つ可愛い美少女を一人で通学させたりしないですわよね」
エリーとアンジェラが馬車の横で話ていると、男が慌ててやて来る。
「申し訳ありません、お嬢様」
男がそう言って、馬車の扉を開ける。
(この方、行者さんね)
男はエリーに声を掛ける。
「エリー様ですね,こちらへどうぞ」
右手を取られ馬車のステップから内部へと入る。
6人掛け、アンジェラが直ぐ隣に座る。
「ブラウン商会まで20分ほどで着くと思いますわ」
馬車にもう一人乗り込んでくる。白い長袖シャツに黒いスラックスを着込んで、すらっとした美人がエリーに頭を下げる。
「カペラ・カーラと申します、アンジェラ様の護衛をしております」
そう言うと馬車の扉を閉めた。エリーに頭を下げてカペラは反対側の席に着席する。
アンジェラより身長は少し高いくらい、茶色のショートボブ、肌ちょっと日焼けしている、茶色の瞳の20代後半くらいの美人だ。(年齢的にジェーン教官と一緒くらいかな)エリーはカペラをじーーと見ていた。
「エリー様、そんなに見つめないで下さい、緊張します」
カペラが冗談ぽく言った。
アンジェラがエリーに左から席を詰めて身体を寄せて来る「カペラはわたくしが小さい時から一緒なんです、体術では、わたくし、今でも敵いませんわ」
エリーは朱色の瞳を広げて、カペラの茶色の瞳を見つめる。カペラがぎょとした表情になる。
「エリー様が外観にそぐわぬ、強者であることは試合を見て知っておりますので、どうか、ご勘弁下さいませ」
カペラが恐縮した様に言った。
エリーがちょっと寂しそうな顔する。
「試合見てたのですか。アンジェラ様が容赦無いので私は必死に無我夢中でなんとか勝てたのですよ」
エリーは視線を下げわざとらしく弱々しく言った。
カペラの顔が引き攣っている。エリーはカペラの顔を見てちょっと不満そうな顔をして言う。
「カペラさんて正直なお方なのですね。私とお友達になって頂けませんか」
カペラは直ぐさま即答する。
「アンジェラ様のご学友様と私の様なものが友達などと・・・・・・とんでもない事です」
エリーの申し出は即断られた。
カペラは思っていた。(エリーさん、あまり関わらない方が良いタイプだと思う! 外見は可愛い美少女なのにアンジェラ様をねねじ伏せたパワーとんでもなかった。私なんかじゃとても太刀打ち出来る相手じゃない)
そんな感じで、馬車は進んで、ブラウン商会の前迄やって来た。
馬車が到着するとブラウン商会の職員が建物から出て来て馬車の行者に話し掛ける。
「本日は、何方とお約束でございましょうか」
行者は「申し訳ございませんが、商用ではございません、アンジェラ クロード様がエリーブラウン様とご一緒にご乗車され、今、到着したところでございます」
職員はそれを聞き慌てて商会の事務所に戻って行った。
馬車の中では、カペラが立ち上がり、ドアを開けて外に出て様子をサッと確認する。
「アンジェラ様どうぞ」
カペラが手をだしてアンジェラを誘導する。アンジェラは馬車のステップを踏み馬車より降りた。
アンジェラはブラウン商会の正面の建物を見て(大きいですわ、今、急成長のブラウン商会、連邦国の上層部とも強い繋がりを持っているって父様が言っていたわ)
アンジェラが真剣な顔で建物を見ているとエリーが話し掛けた。
「アンジェラ様どうしたのですか、固まってますよ」
エリーがアンジェラの肩に手を掛け、顔を背中に付ける。
「エリーさん、いえ・・・・・・大きい建物だと思って・・・・・・」
アンジェラはブラウン商会の事務所ビルを見上げていた。
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