第11話 対戦相手
士官幼年学科剣技大会2日目午前中。
準々決勝、4試合が終わり準決勝に進む4名が確定した。
エリーは、ジェーンを隣に剣技場内のベンチに座ってぼーーっとしてくつろいでいた。
「やはり、ロイ様とですか」
エリーは少し嬉しそうな声で言う。
「私の予想通りだったな」
ジェーンはエリーの少し嬉しいそうな顔を見て顔を緩めエリー肩に手を乗せて言った。
「エリー、相手が誰だろうと問題はないだろうが、油断はするなよ! 私の一番弟子なのだから、スッパと決めろ」
ジェーンがエリーの肩を右手で揉みながら言う。
(えーーっ! いつから一番弟子、この前から、弟子認定されているのですけど、まあ、私の専属教官なのだから弟子でも間違いでは無い感じですけど・・・・・・)
「はい、全部勝って優勝しますよ」
エリーは微笑んで迷い無くキッパリと言った。
「でも、ロイ様もアンジェラ様も見かけませんね?」エリーが寂しそうな顔をして言った。
ジェーンはちょっとガッカリした顔して言う。
「そうだろな、対戦相手とは試合前に、顔は合わせたくないだろうと思うぞ。特にエリーは凄く可愛いから闘志が鈍る恐れがあるから、会話するのも躊躇われるのではないか?」
「そんなものですか、私は直ぐに切り替えれますけど」エリーは前髪をかき上げながら目を閉じて残念そうな顔をした。
準決勝2試合も同時に行われる。
第一ブロック、第二ブロックほぼ同時刻に試合が開始される。
第一ブロック、アンジェラ クロード3年生vsレヴィン グレバドス3年生
第二ブロック、ロイ ラッセル2年生vsエリー ブラウン特待学生
◆◇
剣技場裏手の入り口付近、試合開始30分前。
ロイは準決勝前に一人、精神統一をして試合に備えていた。そこに、近寄り声を掛けてくる少女がいた。
ロイ(試合前に、気持ち上げてる時に、何だよ)
ちょっと不機嫌そうな顔になって、その少女に視線を向ける。
「ロイさん申し訳有りませんわ」
そこには、金髪セミロングでブルーの瞳の美少女アンジェラが落ち込んだ顔をして立っていた。
(えーーっ! アンジェラ様どうして)ロイは直ぐ動揺した様な顔になり、頭を下げた。
「アンジェラ様、いいえ、怒っている訳ではありません、こちらこそ、失礼な態度を取り申し訳有りませんでした」
アンジェラはロイに申し訳なさそうに言った。「試合前に申し訳有りませんわ」
ロイはアンジェラの元気の無い顔を見て言う。
「何か、心配事でも」
アンジェラはちょっと躊躇った顔をして喋り始めた。
「実は、わたくし、エリーさんとお友達になってくださいてお願いしたのに! 昨日のルシア会長戦の剣撃を見て以来、エリーさんに対する感情がなんか変なの。上手く表現出来ないだけれど。ドス黒い重たい空気が私の心の中で蠢いている感じで、気分が全然晴れない。エリーさんに冷たい対応をしてしまって。わたくし、ますます気持ちが落ち込んで、もうどうしたらいいかわからないのですわ」
ロイは頷いて言う。「ルシア会長戦の剣撃は私も見ましたが、アンジェラ様とは違う感情をもちました。何と言うか、世の中には凄い奴が、まだまだいるのだなあと、ワクワクする気持ちでした」
ロイは笑みを浮かべ、アンジェラの顔見た。
「アンジェラ様、私の剣は今回、エリーさんに届かないと思います。ですが、気持ちの高鳴りは収まらないのです。ワクワク感が止まらないのです。エリーさんがどんな剣技を見せてくれるのか、期待で胸が躍っています」
ロイは続けて言う。
「アンジェラ様、ここは戦場ではありません。戦場では負ければ、それは死を意味しますが、試合で負けても、己を更に高め再度挑む事が出来ます。今回負けても、今後、勝ちを拾えば良いのです」
ロイはアンジェラの両手を包み込み。
「アンジェラ様、試合を楽しみましょう!」
アンジェラは少し晴れた顔になり、ブルーの瞳に光が戻った。
「ロイさんありがとうございます、気持ちが少し晴れましたわ」
アンジェラはロイに軽く頭を下げて剣技場内へと去って行った。
ロイはアンジェラの姿を見送りはっ〜とため息を吐いた。
(まあ、僕も、全く怖くないかっていたたら少し怖いけどね)
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