第10話 ロイの試合
エリーブラウン11才のお話。
今日は大会2日目、午前に先ず、準々決勝が4ブロック同時に試合が行われていた。
ここは第2ブロック、試合は始まって2分程経過していた。
ロイは、相手と対峙しながら、第3ブロックから大きな歓声が聞こえてくるのに気付いた。(もう、決まったのか。エリー嬢はやはりただものではないな・・・・・・)
(こちらも、そろそろ決めるか)
ロイは、魔力を全身に巡らし、木剣を右下段に構えて上体を沈めると、前方に飛び上がった。相手は木剣を上段で受け防ごうとするが、ロイは空中で身体に捻りを加え、相手の肩目掛けて、斬り下ろす。
〈バーンーー!〉
相手が片膝を付いて苦悶の表情を浮かべる。
〈カターン〉と音がして相手が木剣を床に落とした。
審判は、それを確認し、旗を上げる。
「勝者、ロイ ラッセル!」
そして、歓声と拍手が起こる。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ここは第一ブロック、準々決勝試合が始まって、アンジェラは考えていた。
(昨日なぜ、エリーさんにあの様な態度をとったのか・・・・・・)
(ルシア会長戦のエリーの凄まじい一悶の剣撃を見てから、わたくしの中に、なんとも言えない、どんよりとした大きく重たい感情が湧き上がり、それが止められない、嫉妬?いや違う、別の感情・・・・・・)
相手剣士が「アンジェラ、剣にキレがないぞ!」と剣を合わせて言う。
「あら、攻め倦んでいらっしゃる、貴方様に、言われる筋合いはございませんわ」
アンジェラはすぐさま言い返す。
相手剣士は素早く、激しい斬撃を放ちアンジェラを押し込んで行く。
(クウー、こんな所でもたつく訳にはいきませわ、わたくしは、勝って決勝に絶対に行きますわ)
相手剣士の剣撃が重くなって来る。
(わたくしを、仕留めに来ているのですね、ならば、こちらも行かせてもらいます)
アンジェラは、斬撃を放ち相手剣士を牽制すると、素早く間合いを取り魔力を全身に巡らした。左に上体を振り右中段構えから、右足を後ろに蹴り出し、上半身を沈め、前に飛び出した。そのスピードは今までにない猛烈なものだった。
相手剣士は交わすことも出来ず、まともに斬撃を腹部に受け、後方に倒れ込んだ。
審判は相手剣士の状況を確認して、旗を上げる。
「勝者、アンジェラ クロード!」
第一ブロックで歓声と拍手が起きる。アンジェラは定位置に戻り礼をすると退場して行く。
(勝ちましたけど、何か、全然スッキリしない、ますます、気分が重くなりましたわ)
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