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角の生えた少女  作者: aaa
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 その家で食事だけを取ると、今度は薄暗い村外れの奥深くにある地下の家へと連れてこられた。

 ライラさんは終始周囲を警戒するような姿勢を見せており、村の中だというのにまるで狩りでもするような雰囲気が辺りを支配していた。

 その家の中に入ると、すでに明かりのついていた部屋の奥からまた別の女の人が出迎えてきた。


「おかえりライラ。……あら?」


 その女の人はライラさんの後ろにいた私を見つけると、目を見開いてライラさんと私を交互に見つめてきた。


「その子は……ライラの隠し子かしら?」

「そんなわけないだろ。色々あって、拾ったんだよ」

「拾ったって……」


 その女の人は、私を見ながら困ったような顔を浮かべた。


「こんな幼い子をどうするつもりなの?」

「成り行きで事情を知っちまったんだ。どうやら捨て子らしいから、レナのとこに連れていく」

「そう……それなら仕方ないわね」


 その女の人は私に笑いかけると、屈んで私に視線を合わせた。


「初めまして、私はカーミアよ」

「ペリット……です」

「ペリットちゃん……ね」


 カーミアさんは噛みしめるように私の名を口に出すと、再び笑顔を作った。


「ところで、ペリットちゃんは私たちがどんな人か聞いた?」

「いえ、何も……」

「やっぱり。あのね、私たちは───」

「カーミア!」


 カーミアさんが何か言おうとしたのを遮って、ライラさんが叫んだ。

 カーミアさんは私に小声で「びっくりしちゃうわね」と言いながら悪戯そうに微笑むと、私の前に屈んだままライラさんの方を振り返った。


「なに?」

「なに?じゃないだろ。余計なことは言わなくていい」

「そういうわけにもいかないでしょう?貴方がペリットちゃんを保護するって言うなら、この子には伝えておくべきだわ」

「……」


 ライラさんは少し目を瞑ってから、何も言わずに部屋の奥へと歩いて行った。

 カーミアさんはそれを見届けてから、冷たい眼差しでこう言った。


「私たちはね、カナドラっていう、魔族を殺すための組織の人なのよ」


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