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異世界の女の子

目の前には額を抑えながら地面をのたうちまわる男の姿。

目の前の状況に言葉を失っているとこちらの気配に気づいたのか男が動きを止め、涙目になっている目をこちらに向ける。


二人の女の子は目くばせをすると、警戒心をあらわに一歩下がる。

今にも攻撃されそうな危険をはらんだ空気に涙目の男リュースティアは必死に敵意がないことをアピールする。


「ちょっ、まった! 俺はあやしいものじゃない。ただの旅人、町を目指して休憩してたところにあのウサギみたいなやつが突っ込んできたんだ。」


手を上げ、降参のポーズも忘れない。

もっともこちらの世界でもこのポーズに意味があるのかはわからないが。


「・・・・・・。」


なおも無言でこちらを見つめ続ける二人。

もしかして言葉が通じていないのでは?という最悪な展開を想像し不安がよぎる。

仮に言葉が通じなかったらどう対処すればいいかを必死に考えていると不意に女の子の一人が言葉を発した。


「多分だけど、悪い人、じゃないと思う。変な人だとは思うけど、、、、。」


自分よりも年下の女の子に変人呼ばわりされたことに内心傷つきながらもどうにか最悪な展開は避けられそうだと胸をなでおろす。

女の子の方も警戒を解き、こちらに歩み寄ってきた。


「まぁお姉ちゃんがそう言うなら悪い人ではなさそうね。私は”シズ・フローウィス”。こっちがお姉ちゃんのリズ・フローウィス。見てわかる通り、双子よ。ここであったのも何かの縁だしよろしく!」


「よ、よろしくお願いします。」


どうやら快活で人懐っこい笑みを浮かべる方がシズ、人見知りなのかシズにの後ろに隠れるようにしている方がリズ、らしい。

そういった性格の違いがなければどちらがどちらかわからなくなるほどに二人はそっくりだった。

ともあれ異世界に来て最初の出会いが双子の美少女、というあたりが何ともテンプレ的な展開なのだが、そこはやはり疎いリュースティア。

そんなことに気づくはずもなく話を進めていく。

いくら何でもここまで年齢の離れた相手に見惚れたり恋をするなど享年26歳であるリュースティアからすればありえないのである!

少し停止したりしたがないと言ったらないのである!


「はじめまして。俺はリュースティア。さっきも言った通りただの旅人。シズちゃんにリズちゃんだっけ? 町に行きたいんだけど方法知らないかな?」


一向にたどり着かない町に行く方法の手がかりを得られないかと思い尋ねてみる。


「シズに、リズで良いわよ。町ってもしかして公爵領のこと?行く方法も何もステータスプレートさえあればだれでも入れるじゃない。」


明らかに何言ってんのこいつ?みたいな態度をとられ自分の確固たるものになる筒ある変人認定にさらにへこむ。


「えっ、でも俺かれこれ三日は歩いてるのに一向にその公爵領ってところにたどりつかないんだけど。 城壁みたいなのは見えてるのにさ。」


「三日も⁉あんたこのあたりを三日も彷徨ってるっていうの⁉ありえない、、、。魔物出現区域で三日も?」


(ん、ここってそんなに魔物出現区域だったのか?)


どうもシズと話がかみ合っていない気がしてならないリュースティアは片割れであり、先ほどから一回も発言をしていないリズの方に視線をやる。

リュースティアと目が合い一瞬”びくっ”っとなりながらも言葉を紡ぐ。


「もしかしたら、、王都の結界のせいかも、、、です。通行許可書やステータスプレートを持っていない人に対して認識疎外の魔法が発動するって本で読んだことがある気がします、、、、。」


まさかそんな魔法があったとは。

どうりでたどり着かないはずだと納得すると同時にどうするべきかと悩む。

するとそこに救いの女神からの一言が降り注ぐ。


「なるほどねー。だったらリュースティアだっけ?あんた私たちと一緒にくる?」


「「⁉」」


リュースティアとリズが驚いてシズを見る。

リュースティアからしてみれば願ってもない提案だったがさすがにリズの意見も聞かなければならないと思いリズに声をかける。


「俺からすればありがたい提案なんだけど、リズもそれでいいのか?リズが嫌だというなら諦めるから遠慮なく言ってくれ。」


さすがに嫌がる女の子に無理を言ってまで同行させてもらうのは気が引けるのであくまで二人ともよければついていこうと思っていた。


「い、嫌というわけではではないのですが、、、。その、リュースティアさんからは他の人とは異なった力の流れを感じるので、、、。正直判断しかねてしまって、、、すみません。」


もしかして転生したことと何か関係があるのかもしれないがここでそれを言うのはためらわれるので知らないことにする。


「他の人と違った力の流れ?よくわからないけど俺は君たちに危害を加える気も迷惑をかけるつもりもない。そもそも俺には何のスキルもなければ魔法も剣も使えない、文字通りただの旅人だ。」


そういい肩をすくめるリュースティア。

そんな様子に訝しむ視線を向けていた二人だったが詮索しないことにしたのか二人は顔を見合わせたあとわずかにうなずきあいリュースティアの同行を認めたのだった。

今すぐ出発してもよかったのだが日が傾きかけていたこともあり出発は明日とし、食事の用意に取り掛かる。

今晩の夕食はもちろん、リュースティアの額に勢いよく飛び込みそのまま気絶し捕獲されるという哀れな末路をたどることになったあのウサギである。

やる気満々で食事の用意を始めた二人の邪魔をするのも何だったので少し離れたところでザクロもどきを作りながら二人の様子を眺める。

肉の後には果実が食べてくなるだろうと思いデザートとして用意しておこうと思ったのだ。

それに絞ればジュースにもなるしね!

そんな事を思いながら特に意識するでもなくザクロもどきを次々に生成していくリュースティア。

その様子を見ていた二人が驚きのあまり口を開けたまま静止していることにも気が付かない。

二人ともリュースティアが持っている【ロンザの実】がどういうものなのかは知っている。

なんせあまりの不味さに魔物除けとして使われるくらいだ。

だからその【ロンザの実】からとても甘い匂いがすること自体がありえない事だったのである。

あまりにもありえない出来事にフリーズしていた二人も我に返り、どういう事かとリュースティアに詰め寄る。

このことに関しては行動派のシズよりも慎重派のリズの方が積極的だったのには驚いたが、、、、。


二人の攻め入るような勢いにたじたじになりながらもこの実の特徴なんじゃないの?などとアホなことをぬかすリュースティア。

二人の興奮した話を聞く限り【ロンザの実】にそんな特徴があるなどと聞いたこともないらしい。

試しに二人もロンザの実に魔力を流してみたりしたのだが何も起こらない。

やっぱりこれはリュースティアのスキルではないかと興奮する二人。

魔法が身近にあるだけあって未知のスキル等に関しては並々ならない好奇心があるようだ。

二人の言葉をようやく理解したリュースティアは一言。


「うそん。」




読んでいただきありがとうございます。

相変わらずの不定期更新ですみません、、、。

ですが少し更新頻度を上げられればなとか思ったり思わなかったり、、、。

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