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君に会った瞬間(とき)  作者: 永井 勇樹
8/14

チョイス

一昨日から昨日の夜までの出来事を約40分間かけて話し終えると、隆吉は言った。


「そうか、分かった。彼女の家族や、ホームレスになる前の頃については聞いてないんだな」


「うん。如月にとってあまり話したくないこともあると思うから、父さんたちも一緒で1回で話しを終えたくてね」


「なら、母さんが彼女の着替えを終えるまで、待つしかないな。それまでの間に、お前の学校での話しでも聞かせてくれ」


「うん」


千景は最近までの学校の話しを隆吉に言った。

仲の良い友人のことや、学校の勉強など、様々なことを約20分間話していると、脱衣所のドアの開く音がして、着替えを終え、疲れきった顔の如月と満足そうな顔をした夏歩がリビングに来た。

そこで如月を見た隆吉が言った。


「おお、そちらが千景の言っていた如月さんか。さっきは母さんがすぐに連れて行ってしまって、よく見れなかったが、随分と可愛らしい子じゃないか」


「でしょ~。まあ、元がいいってこともあるけど、私の服のチョイスが完璧だから、更に良く見えるでしょ~。千景も黙ってないで、何か言ってあげたらどうなの?」

如月が照れながら聞いてくる。


「どうかな?似合ってるかな?」

千景は如月の問いかけで我に返った。

思わず見とれてしまったのだ。

何かを言おうと思った結果、千景の口から出た言葉は普通の言葉だった。


「うん。似合ってると思うよ。可愛いよ」

その答えに夏歩は言った。


「あの~母さん、そろそろ今日の目的の方を……」


「黙ってて!今、あなたが口出していいタイミングじゃないの!」


「はい!すみません!黙ります!」

本当に隆吉は夏歩に勝てないと思う。


「まあ、いいわ。それじゃあ、如月ちゃん、申し訳ないとは思うのだけれど、生まれてきてから千景に助けられるまでの話しをしてくれるかな?」

夏歩が申し訳なさそうに言うと、如月が真剣な表情になって言った。


「はい」

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