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君に会った瞬間(とき)  作者: 永井 勇樹
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父と母

玄関のドアを開けると家の前には父親の隆吉と母親の夏歩が立っていた。


「正月以来だな、千景。元気にしていたか?」


「うん。元気だよ、父さん」


「久し振りね、千景。また身長伸びた?」


「自分だと分からないよ、母さん。でも、父さんも母さんも元気そうで何よりだよ。まあ、話さないといけないこともあるし中に入って」

千景はそう言って両親を家の中に入れると、夏歩が誰よりも早く動いて、リビングに向かった。

何故、如月がリビングにいると分かったのかを千景は女の勘と思い、勝手に納得しようと思った。

隆吉を見ると、夏歩の持ってきたであろう荷物をすごく重そうに持っていた。


「父さん、持つの手伝うよ。それにしてもすごくいっぱい持ってきたね」


「母さんがこれくらいは必要だからって言っていてね」

隆吉の持っていた荷物を半分ほど持つと、すごく重かった。

体感的には10kgと言った感じだ。


「相変わらず、母さんには勝てないんだね」


「ああ、なんでだろうな……」

千景の父親である隆吉は元々それなりの名家である立花家の人間で、母さんの夏歩は一般家庭から嫁いできた身なのに何故か隆吉は夏歩に何も言えないのだ。

千景と隆吉がリビングに荷物を運ぶと、そこには如月にべったりの夏歩の姿があった。


「今から如月ちゃんを少し借りるね。言っておくけど、お父さん、もし、少しでもうるさくして私がイラつくような時は覚悟してね」


「はい」

夏歩はそれだけ言うと、脱衣所に荷物を運び、如月を連れて行った。

隆吉は手がすごく震えていた。


「父さん、大丈夫?」


「千景、父さんの命のためにも、静かにしていよう。あと、トイレ借りるぞ」


「うん」

そう言ってトイレに行く隆吉の姿があまりにも惨めに見えたことは黙っていようと千景は心に決めた。

トイレから戻ってきた隆吉は真剣な表情で千景に聞いてきた。


「昨日、彼女のことを連れて帰ってきた事情は電話で簡単に聞いたが、そのところをもう少し詳しく教えてくれないか?」


「うん」

千景も真剣な表情で話し始めた。

一昨日の朝から昨日の夜に至るまでの出来事をできるだけ正確に。

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