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君に会った瞬間(とき)  作者: 永井 勇樹
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連れてきた女の子

朝起きると、時計は午前5時を指している。

今日は平日で、いつもどおりなら学校に行く日だ。

だが、いつもと違う点が二つある。

一つは、千景が今日、病気でもないのに学校に行かないことだ。

もう一つは、千景のベッドの千景の隣で女の子が寝ていることだ。

とりあえず、朝食を食べてから昨日の出来事、これからのことを考えようと思い、朝食を作り始める。

ご飯、野菜サラダ、玉子焼き、味噌汁を二人分準備し終わった、5時40分頃に如月が起きてきた。


「如月、朝食一緒に食べよう」

起きてきた如月にそう言うと、如月は頷いて一緒に朝食を食べることにした。

如月は熱があるため、食べれるか心配ではあったが、量をあらかじめ少し減らしておいたことにより完食出来たようだ。

千景は朝食を済ませた後、如月に薬を飲ませ言った。


「僕は朝食の片付けをしておくから髪と体を洗ってきな。着替えは風呂を出る前までに脱衣所に置いておくから。シャンプーとボディーソープはカタカナで書いてあるから」

そう言うと如月は頷いて風呂に向かった。

千景は朝食で使った皿を洗い終えた後に、如月が風呂に入ったことを確認し、脱衣所に着替えの服を置いて如月に聞かれないように両親に電話で連絡入れた。

昨日起きたことを両親に簡単に説明すると、母親の夏歩(なつほ)からは服の心配をされ、父親の隆吉(たかよし)からは

「これからどうするのか?」

「千景はどうしたいのか?」と、聞かれた。

千景としては意外な質問が返ってきた。

千景の両親は優しく千景思いの人だが、流石に千景も今回のことに関しては多少なりとも怒られることは覚悟していたが、両親が千景を怒ることは無かった。


「僕は如月を独りにはしたくない。たしかに彼女はホームレスの女の子だけど、僕は彼女に何かを感じたんだ。その感情が何かは分からないけど、できることならもう少しの間、彼女と一緒にいたいんだ」

千景がそう答えると父親の隆吉は更に聞いてきた。


「その子に親はいるのか?」


「如月本人にはまだ詳しいことは聞いてないけど、如月の親は如月のことを橋の下に捨ててからは一度も様子を見に来たことは無いみたい」

千景がホームレスの人達に聞いた話を隆吉に言うと、隆吉は


「分かった。明日の朝、千景のとこへ母さんも連れて9時頃に向かうから、千景は明日も学校を休んで、その子を家に連れてきた経緯について詳しく話をしよう。あと、母さんからの伝言で女性用の服は母さんが持っていくから買わなくていいよと言っていたぞ」と、言ってきたので、

千景は

「分かった。じゃあ、明日の朝9時頃に待ってるから」

そう言って電話を切ると、

『悪い。今は詳しいことは説明出来ないが今日と明日の二日間は少なくとも学校を休むことになる。』と、友人である高島瑞希(たかしまみずき)に連絡を入れた。

千景は予習を欠かさずするため、一日二日学校を休んだ程度で授業を遅れることは無い。

千景が携帯のメモ帳に明日の予定を書いたところで風呂のドアが開く音がした。

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