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私、みみっちい仕返しをいたします  作者: 明。
番外・マカラ編
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本当は、恋をしていた

 毎日毎食ヘルシーメニューを食べさせているのに、コンラッドは肥えたままだ。リストバルト殿下に聞いた話が気になるものの、コンラッドは微塵もダイエットできていないから…と結論を先延ばしにしている。


 何故、コンラッドにだけ言えないのか。

 普段の私ならば考えられない。白黒ハッキリとさせていたいタイプのはずなのに、このまま…知らぬままでいたいと望んでいる。





 夢を見た。





「マカラちゃん」


 とても優しかった。


「大好きだよ」


 そうだ、何故忘れていたの?


「僕のお嫁さんになって」


 私は、ちゃんと恋をしていたのに。






 目がさめたら、泣いていた。私の初恋は実らなかった。結婚の約束までした初恋の少年は、姿を消してしまったから。他愛ない子供の口約束だが…私はとても傷ついた。


「どうして、思い出せたのかしら」


 初恋の少年が消えてしまい、傷つき悲しかった私は自分の記憶を消した。実らなかった初恋そのものを封印した。確か永続する術式だったはずだけど、幼かったから術が不完全だったのかしら。

 そんな私が実らなくともいいから恋がしたいと言うだなんて、滑稽なことだと苦笑する。


「…今ならわかるかしら」


 初恋の少年は何故消えたのか。

 何故私に何も言ってくれなかったのか。

 今、どこで何をしているのか。


 当時は無力な子供だったが、今なら下僕たちを駆使すれば…出来るのではないだろうか。

 そうと決まれば、と伝言を伝えるために使い魔のコウモリを実家に転移させる。


 コウモリを送り出したものの、私はスッキリしなかった。コンラッドとの契約は切るべきだ。私は恋を知っていた。もう恋について知る必要はない。この心にハッキリと刻まれていたのだから。

 しかし私はどうしても彼との契約を解消したくないらしい。


「本当に私は愚かだわ…」


 初恋は実らず、二度目の恋も実りそうもない。いや、初恋は実ったのかもしれない。確かに両想いになれた時間はあったのだから。

 実りそうもないなら諦めるべきであろうか。私は考えた。考えて考えて考えた。




 そして、私はこう結論する。





「諦めるなんて論外だわ。好きなら落とすべきよね」






 そして、私は親友達に意中の相手を落とすにはどうすべきか聞いてみた。

 まずはルージュとバングナルト様だ。


「意中の相手を落とすには…ですの?やはり、自分を磨きあげることでしょうか?」


 流石はルージュ。彼女は常に慢心せず、努力を継続している。説得力がある言葉だった。

 ついでに男性からの意見として、バングナルト様にも聞いてみた。


「人によるからなんとも言えんが…なんかの本でスキンシップを増やすといいと書いてあったな。まあ、意識はするだろうな。相手が嫌がっていたら逆効果だが」


 なるほど。いい意見をもらった。積極的にスキンシップしていこう。





 ファンデとクレストさんにも聞いてみた。


「意中の相手を落とすには?クレストさんは押してみるのと、胃袋を掴むってマカラが自分で言ってたじゃないか」


「…そうだったわね」


「あと、下着姿で相手の寝床に行く」


「………そうだったわね」


 駄目だわ。明らかに人選を間違えたわ。身から出た錆びというかなんというか…自業自得感がすごいわ。


「あ~、俺はやっぱ会話が大事かなと思う。相手と対話しねぇとわかんないことも多いから」


 対話…対話ね!流石はいい人代表のクレストさんだわ!!




 自分磨きはすぐ成果が出ないので、とりあえず普段から素っぴんはやめてナチュラルメイクをするようにした。そして、胸を強調する服を選んだ。コンラッドが貧乳フェチではないことを祈ろう。

 無言でコンラッドが着ていた白衣を着せられた。しかし、残念ながら肝心の乳が隠れずコンラッドが呆然としていた。


「……こうすればいいわよね?」


 つけていたブローチで胸元を止めたら、明らかにホッとされた。しかし、コンラッドが太いのでぶかぶかだ。コンラッドは身長も高いから、長いし。


「ぐう…か、彼シャツっぽい!萌える…!白衣が尊い…!」


「かれしゃつ??もえ?」


 よくわかんないけど、多分喜んでいたっぽい。なんか拝まれた。



 さらに、無理矢理触るのではなくあくまでもさりげないボディタッチをして、会話をするようにした。


「えっと…ま、魔術回路をもっと効率よくできるようにって……」


 コンラッドは低魔力または魔力を保持しない人間でも使える魔具を開発しているらしい。それに関してはやたらと雄弁に語っていた。


「す、すいません…つまらない、ですよね」


「いえ?興味深いわ。さっき話していた魔術理論面で不明な点と改善できそうな部分があったわ。嫌でなければもっと聞かせてちょうだい」


「え!?あ、は、はい!」


 多分、会話により距離が縮まったけど……会話がお互いの研究ばかりになってしまったわ。微妙に失敗…かしら??色気が微塵もないのよね……。


「今度の魔具ができたら見せますね!」


「…楽しみにしているわ」


 でも、コンラッドがよく笑うようになったし、どもらなくなったのはきっと前進…よね?

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