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ダンスパーティ

 学内のダンスパーティ。初夏に毎年行われる学校の公式行事なんだそうです。ゲームの恋愛イベントの舞台にはもってこいですわね。婚約者披露の場でもあるそうですわ。

 きらびやかに着飾る女性達。ふわりと翻るドレスは花びらのようですわ。


 あら?リストバルト殿下はマカラを、クレスト様はファンデをエスコートしてますわね。ファンデ、ものすごく嬉しそう…クレスト様はおすすめですわ!ファンデ、頑張ってくださいましね!

 ピアスは…リップルがエスコートしてますわ。壁の花でいいと本人は言ってましたけど、もったいないですもの。リップル自身、まんざらでもない感じですわ。

 レッタは…バルちゃんにエスコートされてますわ。バルちゃんはすっかりレッタがお気に入りですわねぇ。蝶ネクタイはレッタからのプレゼントらしく、とても喜んでいましたわ。

 あら、夢魔(ブタ)さんは会場の隅でハァハァしてますわ。病気かしら?

※放置プレイに興奮中。ある意味病気なのであながち間違いではない。


 取り巻きを連れて歩くイーリ嬢を見かけました。今日も笑っているけれど、あれがつくり笑いだと知る人間はあの取り巻きの中に何人居るのでしょうか。




「ルージュ、踊るか」


「はい」


 バングナルト様にエスコートされ、ダンスを踊る私。バングナルト様、なかなかお上手ですわ。


「義姉様!僕も!次僕!」「次は僕ね」

 リップル、ヴェース殿下、友人達からもダンスに誘われました。


「…………チッ」


 苦笑して頷く私に、舌打ちするバングナルト様。嫉妬してくださるなんて嬉しいですわ。


 リップル、ヴェース殿下、友人達とのダンスも終わり休憩していると、待ち人達が到着したのに気がつきました。




「久しぶりだね、ルージュ」


「……………………」


 アイラ嬢をエスコートしながら現れた、王太子(へんたい)殿下に、私は顔をしかめました。


「馴れ馴れしくルージュなどと呼ばないでくださいませ。ガーネット嬢とお呼びくださいまし」


「ああ…その凍てつくような瞳…」


 この王太子(へんたい)殿下には、話が通じないようですわ。


「お久しぶりね、ガーネット嬢」


「ええ、お久しぶりですわ、レイン嬢」


 この女性(ひと)、私をこんなにも憎悪に満ちた目で見ていたんですのね。気がつきませんでしたわ。


「それにしても縁を切ると話しておられたのに、仲良くいらっしゃるなんて、流石ですわ。二度と話しかけないでくださらない?」


 無理を承知で私は王太子(へんたい)殿下に笑いかけました。もう未練がないとはいえ、とても不愉快ですわ。


「いや、私達は招待を受けたから、仕方ないんだよ!い、今はめったに二人きりで会うことはないよ!」


 こんな人でしたかしら。長い付き合いでしたのに、思い出せませんわ。


「もう私には関係ありませんから、好きになさってくださいまし。不愉快だから話しかけないでくださらない?」


 冷たくされるのは嬉しくても、本気の拒絶に傷ついたのでしょう。とても複雑な表情をしていましたわ。黙って見守っていたバングナルト様が前に出ました。


「ルージュはもう私の婚約者です。いくら幼馴染で元婚約者とはいえ、今後はわきまえた態度をお願いします。それから、貴方が彼女を裏切って傷つけた上に貶めた事実は変わりません。貴方は加害者なのです。あまり彼女に近寄らないでいただきたい」


「私は彼女を貶めてなどいない!」


 王太子(へんたい)殿下がバングナルト様を睨みつけた。


「…そこの身分も頭も劣る常識知らずの女を選んだでしょう。ルージュがそれより劣ると示したも同然です。それ以外にもルージュを冷遇しましたね?貶めた以外に、私は該当する言葉を知らないのですが?そんな貴方に、私がルージュに関わらないでいただきたいとお願いするのは当然だと思いませんか?」


 バングナルト様、冷凍ビームが…というか、怒りで魔力が駄々漏れですわ。さ、寒いです!


「………わかり、ました」


 王太子(へんたい)殿下が悔しげに返事をしました。バングナルト様は私の肩を抱くと、くるりと私の向きを変えます。鮮やかな手並みですわ!


「お願いいたします。では、我々はこれで」


 バングナルト様に促され、私達はテラスに移動しました。


「大丈夫か?ルージュ」


「バングナルト、様」


「バングルでいい」


「大丈夫ですわ、バングル」


 バングナルト様は私を膝にのせると抱きしめてくださいました。


「なら、いい。しかし、本当にお前は人気があるな。しっかり捕まえておかないとな」


「…バングル……」


 怒りや悲しみが溶けていくのを感じました。バングナルト様…バングルのさりげない優しさが好きですわ。

 私が傷ついたとき、いつもそっと寄り添ってくれたバングル…アヒルでも人間でも、大好きな気持ちは変わりませんわ。


「ルージュ…」


 そっと触れるキスに、幸せで身体が震えました。


「化粧が崩れるから、我慢だな」


「…は、はい」


 お化粧を気にしなくてすむ状況ならもっとしてもらえたのかしら…ペロリと自分の唇を舐めるバングル…バングナルト様の色気にどぎまぎしてしまったのは仕方ないと思います。

・ルージュのバングナルトへの好感度が上がった!


・バングナルトの殺る気が上がった!



 とりあえず、初戦はバングナルトの一人勝ちですね。

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