学校へ行こう!
久々のルージュ視点になります。
魔石も無事交換しましたし、バングナルト様の仕事も一段落つきました。次の段階へ進もうとなりまして、私は今…学校に通っております。
いわゆる大学ですわね。何故私が…私達が大学に通うことになったかと申しますと、この学校にはピアス嬢が居るからですわ。
父とセバスチャンが色々探って解ったことは、ビネー公爵は貴族の半数近くを味方につけていて下手につつくと国を二分して戦争になりかねないとのこと。
魔石についても一族秘伝にしているとはいえ、当主自ら石にちまちま呪紋を刻むかと問われれば、確実にノーと言うでしょう。もしやっていたとしても、してないと言われればそれまでですわ。私達は魔力で見分けがつきますが、証拠としては弱いのです。ならば魔石に関しては内緒ですり替えるべき、ということになりました。
今回の私は宣伝広告なのだそうです。バングナルト様についた私がいかに強大で脅威かを知らしめるらしいですわ。
無理じゃないかしら。
自慢じゃないけど、私はちょっと仕事ができるだけの小娘ですのよ?
マカラは私が大学でニコニコして素直にお話するだけで充分過ぎるほど大丈夫と言っていたけど…本当に大丈夫なのかしら。
「ごきげんよう、ガーネット嬢」
「ごきげんよう」
クラスメートの女性に話しかけられ、にこやかに挨拶した。
「やあ、久しぶりだね!元気にしていたかい?ルージュ!」
え?
「姉様、お元気でしたか!?」
ええ??
「やあ、来ちゃった☆」
えええええ!??
待ってくださいまし!なんで第二王子殿下と義弟とチャラい保健医がここに居ますの!?
「な、なんで!?特にリップル!貴方、父様から留守を任されてましたわよね!?」
「見聞を広める意味でもいい機会だからとリチャードが快く見送ってくれたよ。ちゃんと領主としての仕事もしてる。姉様の転移陣のおかげで、ね」
リチャードはセバスチャンに次ぐ我が家に仕えている執事です。まぁ、彼なら確かにそつなくこなすでしょう。それに転移陣があればすぐ自宅に戻れますから、確かに問題はないでしょう。
「面白そうなことになってるねぇ、混ぜてよ。しかし、マカラ嬢辺りの仕業かな?君に気のある男が集結しているよ。あ、こっちでも保健医してるから、会いたくなったら保健室へおいで」
「へ?」
「久しぶりだね、ルージュ!」
「え、あ、はい」
「ルージュ!会いたかったよ!」
「お、お久しぶりですわ」
転々と留学した先の友人達からの挨拶攻めに驚きましたわ。なんでも匿名で私がこの学校に編入すると言う手紙が来たそうです。チャラい保健医の言う通りマカラがやったのかは不明ですが、楽しい学園生活になりそうですわ。
「あぁら、朝っぱらから男を侍らせていいご身分ですこと」
取り巻きの男女を引き連れた黒髪黒目のきつい印象の美少女。彼女こそがピアス=ビネー嬢なのですわ。
「おはようございます、ビネー嬢。侍らせてなどおりませんわ。友人達に挨拶をしておりましたの」
フン、とビネー嬢はイラついたご様子ですわ。カルシウムが足りないのかしら?
「私の婚約者を奪うだけでは足りないようね?このあばずれが!!」
「あら」
言葉のチョイスが古いですわね。でも、誤解は解いておかねば。
「ビネー嬢、私とバングナルト様の婚約は正式に貴女との婚約を破棄してからですわ。そもそもバングナルト様は貴女の『元』婚約者ではありましたが、元から貴女のモノではないのですから奪いようがありませんわよ?私はご本人から直接、とても不仲だったとうかがっておりますけれど?」
「あんたがバングナルト様を誘惑したから破棄されたのよ!あんたのせいよ!!」
「…私に出会う・出会わないに関わらず、バングナルト様は貴女との婚約を破棄なさったと思います。ご自分が、それは一番おわかりではなくて?まぁ、貴女のおかげでバングナルト様と出会えましたから、そこはお礼を申し上げますわ。ありがとうございます」
「…バカじゃないの!?死ねばいいのに!!」
お礼を言ったのに、怒られてしまいましたわ。泣いていたような気もします。首をかしげていたら、リップルが言いました。
「姉様、念のために聞きますが…わざと?」
「何がですの?」
私は事実を客観的にのべて、お礼を言っただけですわよ?わざとって、何がですの??
「これは間違いなく天然素材だねぇ」
「…ルージュだからな」
「…だから何がですの??」
よくわかりませんが、皆様から苦笑されました。ですから、わざとって何がですの!?必死に聞いても教えていただけませんでした。
・ルージュ達が学校に行くことになった!
・リップル・ヴェース・チャラい保健医と再会した!
・異国の友人達と再会した!
・ピアスのルージュへの好感度が大幅に低下した!




