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とある侍女の不運

まだレッタ視点です。

 さて、私がルージュ様付き確定になってしまったのはもう仕方ない。覆せる気がしないから、仕方ない。

 見捨てたというか、幽霊だと思ってダッシュで逃げたのを責められるのは…仕方ない?


「…貴女、人が裸で助けを求めてるのに無視するとかどうなっているわけ?人としてどうなの?血が通ってないんじゃないの?本当に最低よね。生きてる価値もないんじゃない?謝罪すらしないわけ?あんたの親はどういう教育をしてたわけ?顔がみてみたいわ。どう育てたらこんな最低最悪な人間が出来上がるのかしらねぇ」


 仕方なくねぇわ。うちの親は超優しくてちゃんと教育してくれたっつーの!しかしこの意地悪ババアは伯爵令嬢だから色々言いたいが言い返してはいけない。弱小男爵家など、あっさり潰されてしまうのです。


 現在、私は運悪く意地悪ババアに侍女の詰所で捕まってしまい、意味不明な説教をされてます。

 友人は逃げました。絶対夕飯たかってやるからね!


「…そうですね。私、あの部屋に幽霊がいる噂を聞いてましたから、怖くて幽霊かと思ってしまいましたの。…鬼みたいな形相でしたし」


「なっ!?」


 最後はボソッと言ったから、多分聞こえなかったはず。まぁ、実際顔は見てないからなんとでも誤魔化せる。


「私、私…怖くて…ごめんなさい…」


 秘技、嘘泣き!涙腺緩い私で良かった。私は見た目がか弱そうだから、大概の人が騙されます。

 逆に意地悪ババアは悪人顔だからよく誤解されます。多分性格が顔に出ているんだよ。


「幽霊が怖かった!?言い訳してんじゃないわよ!あんたあの場に居たんだから、私が困ってたのは知ってたでしょ!?」


「だって…………ルージュ様も怖いです!アヒルにされたくありません!!」


 周囲も頷いていた。ぶっちゃけ、居るだけの幽霊とルージュ様ならルージュ様の方が怖い。この意地悪ババアにイビられる方がましである。それにしてもついてない。声にビビって逃げたのを責められるなんて。


「下級貴族が!この私に言い返すなんていい度胸ね」


 ああ、しまった。つい口が滑ったよ。いつもならすいません以外は言わないで超適当に返すのに、親のこと言われてカッとなったんだな。まだ修行が足りないね。そんな風に現実逃避していたら、超危険人物の声がした。


「あらぁ、お仕置が足りなかったかしら?」


 美しく結い上げられた髪からはつい目線が行くほど美しいうなじ。さらに羨まけしからん豊満ボディ。セクシーとはこの方のためにあるのではと思っちゃうぐらい完璧なプロポーション。

 その美女は、鞍をつけた革パンツ男に乗っていた。その状態で城を移動するのは、是非やめていただきたい。


「マカラ様…」


 意地悪ババアがドン引きしている。いや、周囲もドン引きしている。もう慣れちゃった自分が悲しい。そんな周囲の反応など微塵も気にしない鬼畜美女(マカラ)様は、私に話しかけてきた。


「ルージュ様がお茶をご所望よ」


「はい、かしこまりました」


 だから呼びに来てくれたのか。正直助かった!と逃亡を図ろうとするが、意地悪ババアは許さなかった。


「まだ話は終わってなくてよ!」


「ですが、職務を放棄するわけにはまいりません。お話は後ほどお伺いします」


「まだ話は終わってないと言っているでしょう!?」


 私に掴みかかろうとした手は、あっさりと払われた。


「ラットは私の友人だ。虐める奴は容赦しないぞ!」

「レッタですわ」


 というか、友人になった覚えもありませんわ。確かに猛獣(ファンデ)様は可愛らしいですが、なんというか…肉食獣的というか…危険人物なのは変わらないです。というか、友人扱いするなら名前ぐらいは覚えて欲しい。

 鬼畜美女(マカラ)様は精神的、猛獣(ファンデ)様は物理的、ルージュ様はアヒル的な意味で危険です。それぞれ危険度が違います。


「ぐっ…」


 服をぶん投げられたトラウマからか、意地悪ババアが怯みました。


「仕方ないから、なめくじとか芋虫にしてあげましょうか?」


 待って、鬼畜美女(マカラ)様!今の流れで何故そうなる!?


「いや待て」


 よかった!猛獣(ファンデ)様が止めてくれ…


「もっと気持ち悪い奴がいい。ゾンビとかどうだ?見ただけで忌み嫌われるやつ」


 なかった!!

 それどころか、さらに悪化した提案をしている!!


「マカラ様、ファンデ様!ルージュ様がお茶をお待ちなんでしょう!?早・急・に!!参りますわよ!!」


「あら…」

「えー」


 鬼畜美女(マカラ)様は面白そうに、猛獣(ファンデ)様は不満げに返事をしたが、素直に手を引かれてくれた。つい、変態パンツ男の手綱も引いたことに後悔した。自分の順応力に絶望しそうです。


「あ、レッタに嫌がらせをする人間は、調教してもれなく家畜にしてさしあげますから、調教して欲しい方は言ってくださいね」


「私もレッタを虐める奴はボッコボコにするからな!ちゃんと言うんだぞ!」


「気持ちはありがたいですが、本当にやめてくださぁぁぁい!!」


 私の絶叫が侍女の詰所に響いたのだった。


 ちなみに、友人は逃げたのではなくルージュ様に助けを求めてくれたらしい。バングナルト様の執務室でゆったりお茶をしていやがった。お前、本当に大物だな!!

 超絶天然な友人に今夜夕飯をおごるのは、私のようです。


 しかし、意地悪ババアから嫌がらせされるのと鬼畜美女様&猛獣様の仲間認定様されるの…どちらがマシかは自分でもよくわかりませんでした。

 ただ、私が下級貴族だからと嫌がらせや嫌な仕事をまわされる事はなくなりました。

 代わりに、超絶天然な友人以外からは遠巻きにされ、怯えられています。けっこう悲しいです。

 では、恒例の今回の成果です。


・レッタはルージュの仲間と本人以外に認識された!

※まだレッタは仲間ではありません。


・超天然な友人以外の友達にドン引きされて距離を置かれた!


 レッタ視点は次で最後の予定です。

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