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親友達

 いつも通り、お日様の光で目を覚まして起きた。

 いつも通りの私の部屋。

 いつも通り、私のベッドからおりる。


「「おはようございます、お嬢様」」


 いつも通りメイドに挨拶をして身支度を整えてもら……


「なにしてらっしゃるの?マカラ、ファンデ」


 いつも通りじゃありませんでしたわ。マカラとファンデが何故メイドになって私の着替えを手伝っていますの?


「「メイド」」


 それは見たらわかりますわ。そうではなく…寝起きで頭が働きませんわ。


「ええと…何故メイドをしてらっしゃいますの?」


「ルージュが心配だからついていくためによ」

「ルージュが心配だからついていくためにだな」


「え」


「止めても無駄だ。父からの手紙を預かっている」


 マカラから渡された手紙を読みました。


『ルージュちゃんへ。

 うちの娘が迷惑をかけると思います。本当にすみません。ただ、本人は君が心配なんです。悪気は多分ないんです。

 メイドとしては役立たずだと思うので、護衛としてこき使ってください。丈夫なのでルージュちゃんの盾にはなると思います』


 ファンデのお父様…ファンデへの評価がひどいですわ。ちゃんと着替えを手伝ってくれましたわよ。ファンデはやればできる子ですのよ?


「…ファンデはお父様公認なのですね」


「うむ。許可しなかったら屋敷を全壊させると脅したからな!」


 何故そんなにどや顔ですの…そういえば先日、お兄様と大喧嘩した結果お屋敷を半壊させたと手紙で…それは別宅で、今回は本宅を全壊させるつもりらしいです。


「ファンデ、先ず破壊行為をするのではなくキチンと話し合わなければダメですわ」


「うちは脳筋一族だから、話し合いをしても結局飽きて決闘か破壊行為かだぞ」


「………そこは飽きたらいけませんわ!平和的解決を心がけてくださいまし!ファンデが野蛮と言われたら嫌ですわ!とりあえず、お礼のお手紙を書きますね。ファンデが居てくれるなんて、心強いですわ」


「ああ、ルージュは私が守る!」


 ファンデの身の丈10倍のオークキングを倒せる頼もしいお嬢様です。ファンデが居れば百人力ですわ!




「はい、ルージュ」


 マカラからも手紙で……


「マカラさん」


「なぁに?」


「この手紙は何故濡れたあとがありますの?」


 ここ数日、雨は降ってなかったはずですわ。


「泣いてたからね」


「え?」


「うちの父、泣きながら書いてたから」


 マカラは妖艶な…悪い笑顔でした。おじ様に何をやらかしましたの!?


「「………………」」


 流石のファンデもひきつってましたわ。私は手紙を読みました。


『ルージュちゃんへ

 うちのマカラがすみません!言い出したら聞かないんです!迷惑だからやめなさいと何回も何回も言ったんですが…言ったんですが、結局止められませんでした。不甲斐ないおじさんを許してください。生きててごめんなさい』


「おじ様、生きていてくださいまし。ルージュはおじ様に元気でいてほしいですわ…」


 おじ様の悲しい謝罪に独り言を言ってしまいましたわ。私達は幼馴染みでもありましたから、ファンデ・マカラのご両親とは面識がありますの。


「では、バンちゃん。このお手紙を届けてくださいましね」


「くわぁ」


 ああ、なんと愛らしいのかしら…!バンちゃんは、バングルをモデルにして作った低級使い魔ですわ。もちろん純白のアヒルさんでもふもふでふわっふわなのです。お尻は本物(バングル)に劣りますが、胸毛はなかなかなのですわ


「くわぁぁ」


 バンちゃんは手紙をくわえて飛び立ちました。


「では、二人も協力してくださるとバングナルト様にお伝えしなくてはならないわね」


「それなんだが、ルージュはいつバングナルト様と出会ったんだ?」


「…それからルージュ、あのお気に入りのアヒルは?」


「……………」


 冷や汗が止まりませんわ。でも………


「私は心から貴女達を信頼しておりますわ」


 私はファンデとマカラにバングナルト様…バングルとのなれそめを話しました。


「ああ…やはり」


「ないと思ってたが…マジか。あのアヒルがバングナルト様…」


 ファンデは何やらショックを受けていましたが、マカラは納得したようでした。


「私は呪いの感知もできますからね。あのアヒルはアヒルなりに必死でルージュを守っていましたから放置していましたが…ふむ。私は本気でバングナルト様とルージュとの結婚を応援します」


「マカラ…」


「私も応援するぞ!あのアヒルはイイ奴だ!」


「ファンデ…」


 でも、バングナルト様…バングル時代に何をしていましたの?ものすごーく気になりますわ。






 というわけで、状況報告ですわ。


「彼女達には私の判断でバングルの事も話しました。私は心から彼女達を信頼しております」


「そうか。ルージュをよろしく頼む」


「ああ、任された!サンドイッチの恩は返すぞ!」


「……サンドイッチ?」


 ファンデはうなずきましたが、バングナルト様は微妙そうな表情ですわ。

 なんでも遅刻寸前だったので朝食を食べられず昼食代も忘れたファンデに、たまたま裏庭でランチをしていたバングナルト様というかバングルがサンドイッチをあげたそうです。


「いや、腹へって死にそうな感じだったし、そもそもあれはルージュが作ったから、感謝するならルージュだろう」


「いや、自分も空腹なのに私に分けるあんたを気に入ったんだ!」


「………………そうか」


 あ、バングナルト様が色々放棄しましたわ。面倒になりましたのね?


「私も応援しますわ。アヒルの身でありながらルージュに悪口を言う馬鹿の毛をむしる勇気に、感服いたしましたの」


『……………………』


 マカラ以外の全員がバングナルト様を見つめました。目をそらすバングナルト様。


「何してますの!?危ないじゃありませんか!アヒル姿で殴られれば、最悪死んじゃうかもしれませんのよ!?」


「あー、うん……仕方ないだろ、ムカついたんだから」


「仕方なくありませんわ!悪口程度、言わせておけばよいのです!」


 マカラは妖艶に微笑んだ。


「そうそう、今後は私が黙らせますわ」


『………………』


 じっとマカラを見つめる全員。


「マカラ、毒は禁止!」


「じゃ、呪い?」


「だめ!」


「舌を切る?」


「だから、別に悪口くらい痛くも痒くもないから制裁不要ですわぁぁ!!」


 マカラはなかなか納得してくれませんでした。ボソッとこっそりやればいっかと呟いたのは聞き間違いだと思いたいですわ。




 今まで黙っていたクレスト様が発言しました。


「もしかして、見た目は儚げな妖精さんだけど中身は益荒男ますらおな感じの子と外見は気が強そうな美人だけど、中身は大人しいと見せかけてかなり毒舌な怒らせると一服盛るかもしれない子?」


「多分私だな」

「多分私ですね」


「……おお…実物見たら納得したわ。よろしくな~。ルージュ様を守る気満々なのはわかったけど、破壊行為と盛る時はやるまえに報告するように!」


「「かしこまりました!」」


「じゃ、俺は彼女らに要注意人物とかを教えとくわ」


 クレスト様は二人をつれて別室に移動しました。報告しても破壊行為と盛るのはダメだと言いそびれましたわ。敵への不安を感じつつ、出立の日は近づいていくのでした。

・ファンデとマカラが仲間になった!


 いや、ルージュちゃんにナニソレ!ってツッコミしたけど実物見たらなんか納得したわ。

byクレスト


 ちなみにファンデは見た目儚げで細いですが、めちゃくちゃ食べます。王都の大食い無料店ではのきなみ出入り禁止をくらっています。


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