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ライトノベルの召巻術師  作者: 右町田みとむ
28/28

27(終)


「なんだ、これ?」

 寮に帰った道長は自分のポストに厚い封筒が入っているのを見つけた。

 道長は前にも同じことを経験している。

 あの時と同じように、部屋に帰った道長は封筒を開いた。

 中に入っていたのは、

「————『鏡の檻姫』」

 見覚えのある表紙、書かれていない作者名。

 どう考えても、あの時封筒に入っていた『鏡の檻姫』に違いなかった。

 しかし、前と違って、ページはところどころ折れたり、破れたりしている。ページによってインクが濃い所と薄い所があり、まるで出土した古文書のようだ。

 おそらく誰かが、蒼衣十二郎のいた場所から持ち出して届けてくれたのだろう。

「別に、俺は本来の持ち主ではないんだがな」

 そう言ってみる。

 だがそれは独り言だ。前のように、この部屋に話し相手はいないのだから。

 紫苑曰く、前までライアが《召巻》されていたのは紫苑の召巻術によるもので、召巻術師でない道長はライアを《召巻》できない。

 よってこの『鏡の檻姫』も、もはやただのライトノベルだ。

 そして、ライアはこの物語のヒロインであり、モチーフとなった現実の蒼衣来亜がいるとしても、結局のところ架空の人物。決して挿絵から飛び出す、なんてファンタジックな奇跡は起こらないのだ。

 しかしそれが現実だ。霧咲殺姫の言う通り、道長の冒険を終わった以上、彼に残るのは何の変哲もない、日常。

 ふと道長は、机に置いてあった家計簿に目をやった。

 そこには、『服飾代ライア』と道長の字で書かれていた。

「まったく、高い金だして服をかったのに、一回しか着ないってひどすぎるだろ。こんなことなら、ライアに似合わなくてもいいから安い服を買えばよかったよ」

 思わず道長がぼやいた時であった。



「ずいぶんとケチをつけてくれたな。貴様、我に文句があるというのか?」



 背中の方から、聞き覚えのある声がした。


ここまで読んでくださり本当にありがとうございます。

まだまだ未熟な文しか書けませんが、評価や感想などいただけると大変励まされるのでぜひお願いします。

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