第一話 朝は弱いの
とたたたた・・・・
あ・・・足音・・・
きっと、花梨だろうな・・・
カチャ・・・
控えめにドアが開く。
「大地!起きて!朝だよ!」
ドアを控えめに開けた割には大きな声で俺を起こす花梨。
でも、もう慣れっこだ。
「うるさいなぁ・・・そんな大声で起こさなくてもいいって・・・。」
俺は、若草 大地。
そして、大声で俺を起こしたのは井上 花梨。
俺と花梨は幼馴染で、親同士がとても仲がいい。
一緒に学校に行くから、自然に花梨に起こしてもらっている。
「早くしてよ。遅刻しちゃうじゃない。」
「え?」
遅刻?
今、何時だ?
壁にかけてある時計を見ると、長い針が5。短い針が8.=8時5分
鐘が鳴るのは8時20分。
家から学校までは歩いて約20分。
「やばい!」
俺は大急ぎで着替えだした。
ズボンに手をかけたところでふと気が付いた。
・・・・・・・・なんか忘れてるような・・・・・・・
あっ!思い出した!
俺は後ろを向きながらゆっくりと名前を呼んだ。
「・・・・・・か・・・花梨?」
花梨は俺を見たまま固まっていた。
そして、俺の視線に気が付くと
「!っ大地のエロ!馬鹿!アホ!おたんこなす!変態痴漢ー!」
と、言いたいことだけ言って部屋を飛び出していった・・・・。
ってゆうか、最後の変態痴漢は違うだろ。
俺なんもしてないもん。