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エッセイとなむいひけるもの~ご飯を食べる気がしない日編~

作者: 夜霧ランプ

「ほのぼのを目指す」を省略。

 2024年3月1日。

 お腹は空いていても胸がいっぱいだとか、そう言う美談ではない。胸がいっぱいになるような胸焼けの話でもない。

 単に僕が「お腹空いた感じがしないから食べなくても良いか」と思ってしまったことによる、一時的な飢餓の話である。

 人間は自分の感覚だけを信じていると、いつの間にか生命力が削られることになるのだと言う事は存じていたが、本当に飯を食べないと体が持たなくなった。

 それなのに。


 朝起きたら何か食べるのは習慣になって来ている。今日はうどんを食べた。卵を入れようとしたが、殻が思ったより脆くて、割った瞬間握りつぶしてしまった。

 潰れた黄身がシンクの作業台に流る。それを皿に回収して焼いて食べる…と言う、意地汚い事はしないでおこうと判断した。

 卵うどんは諦め、麺つゆでかけうどんを作って食べた。


 今日はちょっくら野暮用があるので、仕事を休んで出かけた。昼ご飯を食べている時間の無い野暮用である。

 10時頃。喉が渇いた。自販機で見つけたフルーツジュースを飲む。血糖値が上がる。昼飯は食べなくても、これだけで良いかと考える。

 帰りがけのバスの中で、早くも体力がつきかける。漫然とした眠たさが湧き上がり、降りる停留所まで目を開けて居なければならないのが辛い。

 不機嫌な顔をしながら、何とか帰宅する。何もする気が起きない。部屋着に着替えて、敷きっぱなしで放って行った布団に潜り込み、眠る。

 正午頃。食欲はないが、何となく目が覚める。胃袋の希望としては、飯を食べてほしかったのかも知れない。しかし、その淡い空腹感はスルーされることになる。

 追加で眠り続ける。

 15時頃。そろそろ起きようかと考えるようになる。起きると嫌な感じがするような気がして、布団から離れられない。たぶん、空腹を認識するのが嫌だったのだろう。体が冷えると腹も減るし。

 眠れないのに、布団の中で浅い夢を見ながら粘る。ちょっとでも面白い夢を見ると、実際に笑いを噴き出して起きてしまう。眠ってる間は、どうやら沸点が低くなるようだ。


 16時が近づき、いよいよ気持ち悪くなってくる。起きてお湯を沸かし、しばらくココアを飲んだり紅茶を飲んだりする。

 空腹なのに吐き気がすると言う、一種の飢餓の症状が出る。流石に何も食べないと駄目なようだと察し、冷凍野菜で野菜スープを作る。

 凍っている大根と里芋と人参とネギの中に、塩コショウとごま油と麺つゆを投入し、水で薄めて、レンジで五分加熱したものである。

 オートモードの「ゆで葉果菜」を使えばよかったかもしれない。通常モードで五分加熱しても、凍っていた野菜はまだ深部が冷たかった。

 僕の調理する物は、ほとんど同じ味付けなのだが、この野菜スープも、平凡な味であった。とびぬけて美味しいと言うわけでもないが、何でも良いから食べたい状態だったらしく、がっつく。


 野菜スープを食べた後、起きているなら何か文章を書こうとして足掻く。しかし、何も面白いことが思い浮かばない。

 しばし、書いたり消したりした後、やっぱりちゃんとしたものを食べようと思い立つ。

 追加でホットケーキを作る。頭がボーッとしているので火加減がよく分からない。黒焦げのホットケーキが出来る。食べる。中身は半生であった。

 僕の言うちゃんとしたものは、「ちゃんと糖分が取れるもの」であるので、外れではない。メイビー。


 食器を片づけて、再び何か文章を書こうと試みる。腹に赤血球が集まっていて、まだ頭に糖分が届いていないので、全然筆が進まない。

 連載小説の書きためをしようかと思ったが、設定を固めてある長文を打つ気力がない。

 こう言う時にこそ、作詩とかをやってみると良いのかも知れない。しかし、作詩は作詩で頭を使うのである。そこで、エッセイなら行けるか? と思って実行している。

 エッセイと言うには形式が無いので、ほぼ随筆であるが。

 結局、文字を打つのであれば、小説も作詩もエッセイも同じ事だったかも。


 そして、僕の(まだ糖分の届いていない)頭の中は葛藤していた。

「お腹いっぱいになったんだから今日は眠ろうぞよ」と言う気持ちと、「いくらどうでも文章くらい書いておかないと成らんだろう」と言う…使命感?

 使命感を持つほど大した物書きでもないが、日課はこなしておこうか。

 その日課のために眠気をキャンセルする飲み物を。それはコーヒー。あまり飲み過ぎると貧血のもとになるので注意しよう。


 日常系のエッセイを書くにしても、ある程度の文章量を書くなら、話のネタがあるかどうかの問題なのである。

 この文章に続ける話のネタは思いついたが、内容が飢餓の話からずれてしまうので、別の記事に書く事にした。

 そして、胃腸に集中していた赤血球はせっせと体内を巡り、ようやく意識がはっきりしてきた。お腹が減った気がしなくても、飯は食わないと、健康な状態は保てないのだね。

 そんな現在は22時を回っている。今頃目が覚めて来てどうする。

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