哲学的ゾンビ
エータは泣いていた。
何故泣いているのか聞くと、シータが死んだかららしい。
エータはシータととても仲が良かった。
「そうか、それは悲しいね。」
バシッ!
彼はぼくが慰めのために肩に置いた手を振り払った。
「お前なんかに俺の気持ちがわかるか!」
エータは泣きながら叫んだ。
「お前らロボットなんかに俺の気持ちがわかってたまるか!一丁前に人間の振りなんかするなよ!心なんて無い癖に!何も感じちゃいないんだろう?シータは俺の全てだったんだ!」
私は彼の首根っこを掴み持ち上げた。
「うぐっ、…や、…やめ…ろ…。」
そして手から銃を出し、彼の頭を撃ち抜いた。
一瞬で彼の頭部が吹き飛んだ。
私はすかさず耳元を押さえ、ある場所に連絡した。
「はいこちら管理局、B14685号どうかしましたか。」
ノイズまじりの声だ。
「こちらB14685号。不良品の回収を頼みたい。」
「了解しました。1分と3秒でそちらの座標へ回収班を送ります。」
エータ…馬鹿な奴。自分を人間だと勘違いして。
人間なんてとっくの昔に滅びた種族だというのに。
エータの部品を見ながら、目から何かがながれた。




