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人間→魔物モブに転生したんですけど弱いですよ?  作者: 駄目猫
第2章 美と賭けの街『エステル』
7/28

7:どの世界だって変わりませんよ?

600PV感謝です!!

これからも頑張りたい……

 魔物でありながら魔物ならざる姿

 赤目に映る目挑心招とエステル


 少し前まで屍人(アンデット)の外見だったとは思えないくらいの美男子になっていた。金髪、赤目までは分かるがスリムで筋肉が割れているのはどういう事なのか。見た目だけでなく、肉体にまで変化をもたらす能力(アート)なのだろうか。


「ふぅ、それでいいかしら……?」


 あまりの変化に驚きを隠せないキョウ。


「え……あ、ありがとうございます」


 プリンは嬉しそうに目を細め話始めた。


「昔ね、私がエステルに来る前に1人の男に会ったの…… それがね()()だったの 魔界に来る人間は初めて見たわ でも魔界に来る人間なんて考えられるのは勇者か()()()なの 」


 話しているプリンの様子は昔を思い返し楽しげだった。


「そしてあの人は転移者だった その転移者はね、今のあなたのように綺麗な金髪ですらっとしていてかっこよかったわ…… そんな転移者に私は魔女(ウィザード)なのに恋してしまったわ……」


 つまり今のキョウの姿はプリンの恋の相手と言ったところか。


「女の人ばっかり〝セーケ〟受けに来るのね。男の人が来たのは初めてだったから……つい……」


 ――ほ、ふ〜ん……


 そしてもう1つの疑問。何故肉体まで変化したのか。


「あの、見た目はわかったんですが僕の腹筋とか…… よく見ると全身全部変わってるし」


 どうやら肉体の変化は腹筋だけでなく腕や足にも効果を及ぼしているらしい。細身で腕も細くて白い割には筋肉がちゃんとついている気がする。


「私の能力(アート)美しき姿へ(プリンセスロード)は対象者の見た目の変化じゃなくて対象者の身体的、本質的変化なの…… いや、変化というよりむしろ()()に近いわね……」


 ――なるほど、だから肉体まで……


 つまり美しき姿へ(プリンセスロード)は見た目だけでなく肉体まで変化出来る肉体改造に近いもの。


「だからさっきの()()()さんも喜んでたんですね」


 キョウがそういうとプリンは眉をひそめた。


()()?あなた、言葉には気をつけた方がいいわよ……? 知らないかしら?今、()()と言うのは魔王アルスの部下やアルスの能力(アート)で生み出された奴らだけで、私達は魔人という呼び方でしょ……? 女の()と言いなさいな……」


 少しイラついた様に話したプリン。しかしキョウにもどうしようもなく怒りが込み上げる所があった。


 ――人間を追い詰めた魔物が()だと?


 ――ふざけんな、お前らのせいでこんな事に


「まあ次から気をつけなさい…… ところでちゃんとお代の1000エルはあるかしら……?」


 ハッとする。人間界の金ならまだしも魔界の金など持ってるわけが無い。


「あの……ですね、お金。全くないんです……」


 呆れた表情をするプリン。


「すみませんっ!! お金はちゃんと払います!!」


「仕方ないわね……待っててあげる ちゃんと1000エル払いに来なさいよ?」


 ホントにしょうがないんだから、と愚痴をこぼすプリン。しかしその表情はどこか嬉しそうにも見える。


「1000エルならエステルの外に行って豚鬼(オーク)でも倒して身ぐるみ剥いでくるといいわ…… 肉はだいたい30エル、服は50エル、槍をそのまま売れれば200エルは下らないかしら……」


 豚鬼(オーク)はそんなに強くなくて無駄なく売れる、と言うプリン。しかしキョウには不安が残る。


 ――ゴブリンより強いオークを少なくても4体……


 ゴブリン1()で苦戦したキョウ。だが今は仲間がいる。劣等召喚(ローサモン)は時間制限の能力(アート)だが役立つに違いない、役立たせなくてはいけない。


 ――いや、待てよ……どこに泊まるんだ……


 ようやく気づいた。体は変わっても疲れは癒えていない。このままオークを狩りに行こうとすれば返り討ちに合うかもしれない。


「あの、今日は疲れたんで明日から行こうと思うんですけど……安い宿とかって……」


 あまり顔を見ないように聞いた。流石にこれ以上迷惑はかけたくない。がプリンは


「お金、ないんでしょう……? お金払ってくれるまでここに泊まらせてあげる……ご飯もないんでしょう?」


 ――プリンさぁんん……


 泣きだしそうになるキョウ。見ず知らずの()にここまで優しくして貰えて思わず感情が、涙が零れる。


「ありがとう……ございます……」


 ここまで人に優しくしてもらった事があっただろうか。人間の時も能力無しであまり人からはよく思われて来なかった。周りの友達とか大人とかは能力持ちだったから余計にそんなふうに思われていたのだろう。


「泣かないでよ…… ふぅ」






 ************





 ――明日からオーク狩り…… 頑張らないと


 プリンから部屋を貸してもらい床の上で寝ることにした。人間の頃ならシャワーでも浴びたいと思ったが今は不思議とそんな事は思わなかった。それに魔界にシャワーなんて物は存在しないだろうから叶わぬ願いだ。


 ――俺は弱いかもしれないけど、ゴブリンと一緒なら……


 人だった頃を思い出す。キョウの周りに協力してくれる人なんて親くらいだった。それどころか、キョウが協力()()()事なんてまず無かった。でも今は違う。1人と1匹が協力して戦う時。


 ――ホントに頑張らないと……


 明日からの目的は金稼ぎだがもう1つキョウには目的があった。―劣等召喚(ローサモン)について。召喚(サモン)というのは普通指定した魔物や生物が出てくる能力(アート)。しかしキョウの劣等(ロー)はどうなのか。劣等というだけあって時間制限があった。しかしその上に特定の魔物は呼び出せないランダム制度、とかだったら本当にハズレだ。

 まだゴブリンしか倒していないからなんとも言えないがオークを倒してみれば分かる事。それを検証したかった。



 明日からの新たな目的への期待、不安が自分の胸に渦巻く。決意した表情を解きほぐし今は一刻も早く休まなくては、と金髪を床に付けせっかくの美男子が見えなくなるくらいの緩み切った表情で寝始めた。

金髪の美男子はどこでも正義!!

目の色も黒でも黒じゃなくてもカッコイイ…

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