6:いつも大事なことがありますよ?
ユニーク150人もありがとうございますm(*_ _)m
これからも頑張って書いていくのでよろしくお願いします!!
妖艶な光が冒険者、よそ者を誘う。
美と賭けの街『エステル』が魅了する。
エステルは街の中に入った瞬間、妖艶で怪しい雰囲気を醸し出した。
「なんだ……ここ」
キョウは予想とは全く違う光景に圧倒された。建物の前には見たことないような危ない服を着ている女魔物がいる。とても人間に似ている魔物がそういう店の宣伝をしている。きっと男はこうやって搾取されていくのだろう。
「あ、お兄さぁ〜ん 冒険者〜? ちょっとお店に寄っていかない?」
当然の如く早速キョウは客引きに会った。
――うわ……やばい……
女魔物の過度なスキンシップのお陰でキョウに丘陵が当たっている。幸せな気持ちに浸りたいところだがキョウは誘惑を断ち切らなければいけない。
「だ、だいじょうぶでひゅ!!」
「ウフフ、お兄さんかわい〜」
疲れすぎてろくに口もろくにまわらない。決して緊張とか興奮してて、とかそんな理由では無い……気がする。
それにしてもこんな派手な光を出している店が多すぎる。1番大きな通りにいるのだがまだまだ店の数々は先に伸びている。
「宿屋とかさぁ……泊まれるところないのかよ……」
目は左右にたくさんいる女魔物の方を行ったり来たりしつつも口では愚痴ってみる。
そこそこ歩いてきたがようやく中央の広場の様なところに来たキョウ。意外なことにそこには2人しか魔物がいなかった。その魔物は小さな声でコソコソ話している。
何だか気になるから盗み聞きしてみる。
「なあ、聞いたか?」
「〝セーケ〟の事だろ?聞いたぜ……あれ、凄いんだろ?」
――……セーケ?
盗み聞きをして得た情報。初めて聞く名前だ。魔物の話かさっきの様な店の話だろうとか思うキョウ。
「そうらしいな。〝セーケ〟でがっぽり儲かってるらしいぜ、プリンの店」
魔物とかその程度の話だと思っていたが金となると話が変わってくる。キョウに今1番必要なのは金だ。食事はこの体になってから1度も取っていないし何よりまずゆっくりと休憩したい。意を決して魔物達に話を聞きに行く。
「あの、ちょっといいですか?その……話……聞いてて」
2人の魔物達は恥ずかしそうにしたが
「おん、お前も興味あんの?〝セーケ〟に」
「〝セーケ〟はやっぱ有名だよなぁ……」
普通に対応してくれた。だがキョウがセーケーとは何の事か分からないと言うと魔物達は意外そうな顔をして
「知らないのか?通称『 姿見のセーケ』の話」
と説明を初めてくれた。
「セーケはプリンっていう魔女の店でやってる魔法?能力らしいんだが。それを受けた奴はよ、全く違う姿になって帰ってくるらしいんだよ!!」
――つまり俺のこの見た目を変えてくれんのか……
キョウは興味を持ちプリンの店に行ってみたいと思いさらに話を聞いてみようとする。だがそれはもう1人の魔物の話に少し遮られた。
「俺も姿変えようかな〜」
「バカ言うなよ!! 奥さんに笑われるぜ?」
ゲラゲラと笑う魔物。
「ま、プリンの店に行ってみたいんなら案内するぜ?結構遠いから迷っちまうと思うしな。」
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「んじゃ元気でな、相棒!!」
「案内ありがとうございました!!」
結局怪しいと思ったが取り敢えず店の前まで来てみるキョウ。目の前には木で作られた小さい家があった。これも老ゴブリン宅と同じくドアしかなく窓は見えず、店と言う割には看板も無かった。
――取り敢えず入ってみるか
一刻も早く腕の見た目を変えたかったキョウはドアに続く階段を登って行く。
その時勢いよくドアが空いた。
「うわぁ〜!! 凄いこれ!!!!」
嬉しそうに丘陵を揺らしながら中から出てきた店の前にいた様なお姉さん達に似たこれまたエッチな魔物が出てきた。
キョウはびっくりしたが道を譲り魔物を通してあげた。
――あれは見た目が変わったって事か……
そう思うとさっきのお姉さん達も皆〝セーケ〟をして店に立ったのだろうか、元からあんなだったのか……など頭に色んな妄想が浮かんでしまうキョウ。
そんな事はあったがドアをノックして反応を伺ってみる。
「すみませ〜ん、プリンさんのお店ですか〜?」
――……中におはいり
キョウの声に対する回答は返って来なかったが変わりに命令が返ってきた。中で説明でもしてくれるのか、と思いつつキョウは中に入る。
廊下は暗く奥の部屋のドアから怪しげな紫が漏れている。
――ここは紫とかピンクしか無いのかよ……
そんな事を思いつつ奥まで進む。ドアに手をかけ中に入る。目に入ったのは若そうな人間の姿だった。
――人が……人がいる!?
「私はプリン……と皆から呼ばれている魔女。あなたも〝姿見〟しに来たのかな……?男は珍しいんだが」
本当に簡単な自己紹介だけしてすぐに話を進めようとするプリン。どうやら人間では無く魔物のようだ。
「ぼ、僕は〝セーケ〟に興味があって……き、来ました!!」
怪しげな雰囲気に焦るキョウ。プリンはそんなキョウを見て笑い
「そうなの…… いいわよ」
と答えてくれた。
「どんな見た目がお好み……?イケメンと言ったらシュッとしてる姿よね。でもあなたのその赤い目はカッコイイわよ……」
――赤い目? ただの黒目だろ……?
目について言われ不安になったが取り敢えずキョウは「カッコイイ感じで。あと腕の血管とかどうにかお願いします」と腕を見せつけ適当な希望を述べた。
「その腕も中々いいのに…… まあ希望なら仕方ないわね」
とお世辞とも取れない事を言うプリン。
それからプリンは静かに考え始め姿のアイデアを考えているようだ。
「うん、これでいいわ」と声を上げキョウを上裸にさせ近くのベットに寝かせる。
「いくわよ……じっとしててね……?『美しき姿へ』」
そう言いプリンの能力らしきものを使うとキョウの周りに煙がどんどんと出てきた。
数分後、煙は消え「体起こしてね……」と言う声が聞こえたから体を起こし近くにあった鏡で自分を確認する。
するとそこに映ったのはきらめくような金髪、相変わらずの赤目、人間の時には有り得なかったムキムキの体が出てきた。
煙でてきて金髪、赤目、ムキムキとかいいな…なりたいな…