24:試練は始まりますよ?
安易な道などなく
戦意を高めて進む
「あとは……採掘場まで行くだけですよね?」
ムク山はすぐに着いた。あとは上に登り採掘場に行くだけだ。本当に防具無しで大丈夫なのだろうか?まだ不安が浮かんでくるキョウ。採掘場があり労働者がいるくらいだから討伐対象以外の魔物は恐らくいないだろう。
「だな。急いで行かなくてもまだ時間あるからゆっくり登ろう」
山は傾斜こそ少しあるものの労働者がいるお陰か道が出来ていて気持ちばかりの階段状になっていた。
「なんかピクニックとかハイキングに来てるみたいで……。どうも気が抜けるなぁ」
「キョウさん!ダメですよそんなんじゃ!もっと気を引き締めてください」
「……」
セレネのマイペースには驚かされる。気の抜けた事をすると思ったら既にマジメモードに入ったらしい。
「相手は魔物なんですから!しっかりしてください!」
「はいはい……」
マジメにしてください、なんてプンプン怒る声が聞こえない事も無いが無視して先に進む。
うわぁ、と声が今度は聞こえてきたから声の方向を振り向く。もう少しであれが見えるところだった。女の子なら少し考えて行動しようか。
「――何してんだ……」
「えへ、コケちゃいました」
もう何なのかよく分からない。気を引き締めてたんじゃないの?ホントに何してるの?なんで他より平坦な所でコケるの? 頭の中を思考が渦巻いた。少しセレネに振り回されすぎている証拠だ。
「大丈夫か?もう行くぞ」
「はい!行きましょう!」
もうすぐ空洞が見えてくるはず、今度こそ気を引き締めていこうと先を少し早足で歩き始めた。
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「穴、おっきいですね〜」
「だな。大人が沢山通るしこんくらい大きくないとダメなんだろ」
空洞まで着いた2人。中から風が吹く。風は冷たく乾いていてそういう予感を彷彿とさせる生暖かい風ではなかった。
中を覗くと遠くの1箇所だけ明るいところがあった。通路には明かりは無くどうやらあそこが中の広場、採掘場になっているらしい。
「足元、危ないから気をつけていこう」
「……」
セレネの返事が無い。考え事でもしてるのだろうか。
「セレネ?」
「あ、はい……」
「――?」
セレネの返事に元気が無い。道と山は違う、故に歩くと登るもまた違う行為だ。少し険しいところもあったしちょっと疲れただけだろうと判断する。
「大丈夫か?少し休む?」
「いえ、疲れて無いですよ?大丈夫です行きましょう」
声を聞いてみると普通に元気そうだ。少しぼーっとしただけか、と考えを断ち中へと進んでいく。
「にしても……ちょっと下向いてて危ないな。もう1回コケんなよ?」
「大丈夫ですよ!2回も同じことするわけないじゃないですか!」
「分かった分かった。大丈夫ならOKだ」
ここでも少しだけ傾斜があった。さっき平坦な所で躓いた危なっかしいセレネに注意をしておかないとまたやらかしそうだ。
「あ!入口?みたいなところ見えてきましたよ」
前にいたセレネが前方を示す。今までより明るくなってセレネの指が見えた。指の先には入口で見た時より大きい明かりが光っていた。
「あれ、ロウソクか?消えないもんだな……」
そんな事を言ってるいるうちにすぐに入口までついた。
「よし、着いた。入るぞ?」
「行きましょう……」
補修したばかりらしい石のアーチを抜け採掘場に入った。
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悪魔は狡猾に待っている。それは真正面から戦うことを否定する奇襲の構え。闇そのものと思える瞳に映ったのは金髪の少年と銀髪の少女であった。いつもの中年の魔人達の様に困らせてやろうと思ったが意外なものが見えて驚いた、が子供なら都合がいい。
攫うなり食べるなり選択肢が増えるのだから自由にできると悪魔は笑いを噛み殺した。
3章終了時点でキャラ構想みたいなのを出した方が良いのでしょうか?
お伝えして頂けると嬉しいです




