10:転生にアクシデントはつきものです
更新遅くなって申し訳ございません。
また更新頻度が遅くなります。ゆったりですが更新させていただきますのでよろしくお願いしますm(*_ _)m
新たなる旅路を迎える日
槍と召喚で“突き”進む
キョウはプリンに言われた通り『イブンティア』に行くことを決めた。その前にこの街に来てから忙しすぎて全く街を見ていなかったから今日は街を散策し寝てから明日に出かける事にした。夜ご飯はプリンが作ってくれるらしい。この魔界に来てから初めてのまともな食事かもしれない。
それをプリンに報告するとケラケラと笑いだし始めた。
「何がそんなにおかしいんですか!?」
「だって寝るなんて…… 魔物は食べ物さえあれば睡眠なんて必要ないのに、寝なくてもいいじゃない」
と言うのだ。オーク狩りに行く前、プリンが部屋に入ってきた時プリンは起きたのではなく元から起きていたらしい。恐らく魔物には身体能力上昇があるし肉体も違うため睡眠などどうにでもなるのだろう。
――さて、ゆっくりするかな……
街の中をゆったり歩く。昼と夜の概念はここには無いけれど常に活発に街が動いているワケでは無いらしい。改めて見るとあの派手な光以外は石造りの様な昔風の造りが多い。
「案外いい感じのとこだなぁ……」
日が差し込んでいたらそこら辺のベンチでお昼ご飯でも、と洒落込めるような所なのに空は紫を彩る。残念な気分になる。
―やめてください!!
細い路地から声が聞こえた。何事だろうとそっちを向くと女の子が走っていた。後方を見ると男達が追いかけている。
「待ちやがれぇぇえ!!!!」
女の子を追いかけている男の1人が叫ぶ。女の子は細い路地の店先に置いてある樽や看板などを細身ですり抜けながら移動しているが男達はそうはいかない。
巨漢とまではいかないが、なかなかガタイが良く上手く障害物を避けきれず当たって飛ばしながら追いかけている。
女の子がキョウのいる裏通りまで出てきた。男の声が響き、女の子が焦った表情で走ってきたため周りの人たちも何事かと女の子に注目する。
――大丈夫かな……?
不安に思うキョウ。何故か分からないがすぐさま行動に出る。
「こっちおいで!」
キョウが女の子が出てきた路地を見やると男達はある店の看板に当たり、それに怒ったのか店主ともめている。すかさず女の子をキョウの後ろに移動させる。キョウ自体そこまで大きくないとはいえ、プリンのお陰で多少身体的変化はあった。10歳くらいの小さな女の子1人なら隠せるだろう。
「よお、兄ちゃんよ。この辺りに白髪のよお、ちいせえ女見なかったかよ?」
ようやく怒りが収まったのか路地を抜けてきた。そしてキョウに聞いてきたのだ。白髪の小さい女の子で知っているのは今1人しかいない。
「ああ、そんな子いましたよ。確か左の方に走っていきました」
出来るだけ無関心を装う。まるで日常と変わらないかの様にこの異様な事態に振る舞う。
「そうか、ありがとなっ」
男達はまた走り出し女の子を探し始めた。それを見届けたキョウ。
――……
「大丈夫、君?」
後ろの女の子の方へ振り向く。白髪はよく見ると銀髪の様に美しくしなやかで。顔はまるで人間の様でいて色白が目立つ。そして綺麗な、鈴のような声色をしていた。
「あの…… あ、ありがとうございます」
1人目の仲間、現る……?




