ダンジョン前夜。
ひとまず現状で集められる情報は集めたが、やはりと言うか某匿名掲示板の盛況ぶりには目を見張るものがあった。
-幼女神の言うチカラとはダンジョン内でのみ有効らしい事。
-行動力のある数人の若者達によってモンスター討伐に成功。その際に全身に淡い発光-通称レベルアップ-が確認された事。
-レベルアップ後にはわずかに身体能力の向上が見られた事など。
(いっそ彼らを全面的にバックアップすれば年内の解決すら可能なのでは...?)
そんな楽観的な推測すら立てられるほどに彼らの情熱と行動力は凄まじいものがあったのだ。
当初から心配していた食料問題に関していえば、案の定争いが起こったらしく政府による注意勧告が行われていた。
「ダンジョンか、これを機に外に出るのも有りかもなぁ、ドロップアイテムでがっつり儲けて悠々自適の生活を...ぐふふ。」
そんな妄想を繰り広げるハッピーな脳内は、大切なことを忘れてしまっているのだ。文献-ラノベ-で活躍する者たちは主人公であり、才能があり、運命に愛されているが故に輝いているのだと。
夜も更け、僅かに感じ始めた睡魔に抵抗することなくベッドへと身を投げ出し想像は膨らんでいく。
外の世界は慌ただしく動く中、己の殻の中で幸せな夢を見るのであった。