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2

加速を始めた戦場で一番に膝を付いたのは誰よりも魔力の消耗が激しいハジメである。

ケセラセラによる英雄化の反動はハジメの身体を激痛という形で蝕み、血を吐き出しながらもその瞳から闘志が消えることはなく、むしろ加速する戦場に置いていかれぬよう腰に付けたポーチから魔石を取り出し次々と砕いていく。

拳の中で暴れる魔力を強引に取り込み、自分の制御下へと落とし込めば即座にケセラセラの支援魔法を絶やさぬよう即座に放出する。


初っ端から全力疾走による息切れは仲間達も同じで、魔力、体力共に底が見え始めたのが金狼相手に一人で大立ち回りを見せたカケルである。

当初は全身に纏っていた黒雷を腕と脚に集中して纏わせ、移動と攻撃にのみ意識を集中させることで魔力の節約を行ってはいても運動量は依然として落とせない為に少しづつヒヤリとする場面は出てきてはいるが、メグによる的確な援護射撃により戦況は優勢に見える。


「タモツっもう一度いくぞ、タイミング合わせろっ!!」


吠えるリュウに無言で応じるタモツの魔力が高まると同時に動き出した六地蔵が銀狼の道を阻む。

潰されまいと狭き道を駆ける銀狼の視線の先に待ち受ける巨漢の放つ猛烈な殺気に僅かばかり怯む銀狼の見せた一瞬の躊躇いはリュウにとっては絶好の機会となる。


「大老拳舞-蛇水-」


僅かな逡巡の隙に滑り込むように、溶け込むように、それでいて激流の様な激しさをもってして全てを打ち砕く歴戦の一撃。

銀狼の鼻先に一撃、懐に潜り込み一撃、浮かび上がった身体を地面に縫い付けんとばかりに六地蔵が叩き込まれれば、好機とばかりにリュウの連撃が追い打ちをかける。


苦しそうにうめき声を漏らしながらも未だ息絶える気配を見せない銀狼を見て、苦い顔を浮かべるのはこれまで銀狼の猛攻を抑えていたタモツ。


「流石は階層主、か。」

「ユイに掛けてもらってたレピィの加護が切れた、しばらくは大技も打ち止めだしどうするかねぇ」


血の代わりに粒子を零しながら距離を取る銀狼を視界に収めながら、ため息混じりに未だ終わりを感じさせない戦いに少しだけ不安を抱きながら一歩を踏み出す。


「とりあえず自由に動かれちゃ場が持たん、キツイだろうがこらえてくれや。」

「俺は俺にできることをやるだけだ。」


魔石を砕きながら装備の状態を確認し終えたタモツもまた銀狼へと足を進める。



戦いの流れは優勢のままではあるが、未だ決着は遠く。


携帯もPCも壊れてた為しばらく更新できてませんでしたが、これからのんびりと更新していく次第です。

更新を待っていてくれた方々には大変申し訳ございませんでした。

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