変わりたい虚言少女
どうしてだろう。
どうして素直に甘えられないのだろう。
どうして無理をしてしまうのだろう。
どうして溜めてしまうのだろう。
どうしてだろう。
どうして自分が甘えることを許せないのだろう。
どうして無理を無理と言えないのだろう。
どうして秘密を溜め込んでしまうのだろう。
どうして、ウソをつき続けてしまうのだろう。
わたしは守ってくれた騎士にすらウソをついた。
無理なのに「大丈夫」とウソをついた。
秘密を隠してウソをついた。
嫌われるのが怖いという下らない理由で。
頼りないと思われたくないという馬鹿みたいな理由で。
馬鹿でおかしいと思われたくないという理由で。
治らない傷をなかったことにした。
事実は変わらないのに。
ウソを重ねて変わることすらできなかった。
意味もないのに。
精一杯「普通」に振る舞った。
「普通」が何かわからなかったのに。
すべて、無駄だったのに。
甘えを許せば甘い世界に浸かってしまうから。
限界を決めてしまえばそれ以上進めなくなってしまうから。
秘密を教えたら嫌われてしまうから。
そう、言い聞かせた。
でももう、疲れた。
素直に甘えられる自分に変わりたい。
無理を「無理」と言える自分に変わりたい。
秘密を溜め込まない自分に変わりたい。
自分を、変えたい。
ある出来事を芯にして書きました。
何故人は嘘をついてしまうのでしょうか。それが益ではないとわかっても。