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{第34話} 違和感の行方

凌三高校校則


其の四、年に二度の部活動審査会で不適とされた部は、強制解散とし、その部に属するものは一年間それに準ずる部の作成を禁ず



 式則生徒会長の栗田のリタイアを周知させるアナウンスが鳴り響いた直後大原女からのインカムが聞こえる。残り時間は3分を切った。


「歩!残機は1になっちゃったけど栗田は倒せたわ!次の奴お願い!」


「あい、よ!」


俺は複数の煙幕弾を松本部長がいるであろう地点の周りに投げる。


「お前ら…!」


そうして松本部長を足止めさせ、俺は大原女と合流することに成功した。


「お前、めっちゃボロボロじゃねえか」


大原女は純白の制服を土埃で汚し、綺麗な桜色の髪も濁っていた。


地味に潔癖である俺は見ていられずに汚れを落とす。


「勝てれば見た目なんてどうでもいいのよ。そんなことより、栗田を倒せたとはいえ、スコア的には20対21で一点負けてるのよ」


「リタイアしたらプラス点ってのは…」


「無いわ。でも私が相打ちでなく生き残ったのは大きな価値があるわ」


大原女は俺に自分の松ぼっくりベレッタを差し出してくる。


「私のベレッタ。フルオート改造してるの。あんたのガバメントと交換しましょう」


「なんでだよ」


「作戦変更よ。私が囮兼盾となるから、あんたが部長を倒しなさい」


大原女は有無を言わさずに銃を交換してしまう。


「お前は残機1でもいけるだろ。俺はそんな責任背負いたくない」


「確率論の話よ。あんたがした方が勝率が高いからするの。

あんたのあの理論的な射撃は絶対に松本部長に効くわ。だから、お願い」


夕日に照らされた彼女のアメジストの瞳は、魔法のように輝いていた。

「分かったよ、やればいいんだろ」


そんな瞳に俺は、どんだけ時がたったとしても、逆らえる気がしないのであった。


「うんうん、あんたは絶対にできるわ。もしこの試合に勝てたらね、何でも一つ言う事を聞いてあげる」


「お、お前、ほんとに良いのか?」


耳元で大原女の高いアニメ声が囁いた。大原女は暫く考えていたようだが、すぐに顔を赤面させて、ツインテールをM字でなくW字に逆立てた。


「あ、あんた変なこと頼むんじゃないわよ!私にも流石に許容できる限度があるんだからね?年齢だってまだまだだし。それより時間が無いわ。行くわよ」


「ああ、じーーーーっくり考えるわ」


そうして俺らは、2分まで迫った残り時間での中、煙幕の晴れたフィールドで作戦を開始した。



 「松本部長!観念しなさい!年貢の納め時よ!」


前に出た大原女が叫ぶ。当然返事は来ない。


「出てこないならこっちから行くわよ!」


そうして俺が地上で身を隠し大原女が障害物の上を移動する。敵の視線は大原女に釘付けでぴったり俺が引っ付いていることなんて知らないだろう。


ドドッドドッドドッドドドッドドッドド


断続的に大原女を狙う銃声が鳴り響く。やっぱり最奥で待ち構えていたか。


大原女は異常な反射神経でそれを躱し、地に足をつける。


これで位置は分かったが、やはり弾幕を張られると不不用意には近づけないな。


「歩、言った通り動いてね」


「任せておけ」


煙幕弾を四方八方に投げる大原女。彼女の俊敏すぎる動きは囮として完璧だろう。


俺らも見えなくなるが、それでいい。俺は乱射での被ダメージを避けるため匍匐前進で進み、距離を詰める。


「こっちよ!」


ドドッドドドドドドド


重機関銃が鳴り響く。


煙幕の中、大原女が歩き回って新たに設置されたであろうブービートラップを次から次へと鳴らしていく。


本来何も行動を起こさなければ煙幕の中位置はバレないが、大原女に近づかれることを恐れてか声のする方に片っ端から打っている。これはチャンスだ。


俺はそのまま、敵陣地深くに侵入し、銃声の発信地に3メートル目前まで来ていた。


(よし、このまま撃ってそこから逃げれば勝ちだ)


俺はベレッタを懐から取り出し、発射準備をする。フルオート15発を叩きこんで、あとはそれで終わりだ。


「歩。何か弾丸の様子がおかしいわ。念のため注意して」


そんな大原女のインカムが入る。俺は答えれないがまあ杞憂だろう。


そんな事を考え、俺は発砲した。


もう少し慎重に行動すべきだったとは露知らず。




ついったしてる@suiren0402desu

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