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{第19話} 竹馬部vs翼賛会

血戦規則


其の三 、血戦で敗れた部は勝利した部が提示した条件を遵守し、加えて一か月の部活動停止とす




 合図とともに、人間離れした竹馬捌きで蛇尾に迫りレーザーガンを射出する田中。ジェットエンジンが取り付けられているのではと勘繰るほどのスピードだったが、それを華麗にかわし竹馬を地に押し付けて跳躍し、蛇尾は後ろに回り田中の後頭部を捉える。なんとか頭を逸らす田中だったが、その過程で姿勢が崩れ、一瞬のラグが発生。それを蛇尾は見逃さず、レーザーガンを三発どころじゃない回数放つ。一発田中の頭を掠り、得点掲示板に一と記される。


 ……


………


それからも攻防は続いたが、終始翼賛会の蛇尾が圧倒し、最終スコアは三3-0で、終了した。



 砂埃が静寂を包む。時刻は一時を過ぎ、そろそろ五時間目が始まるだろう。当初の目算からは全く外れた結果に、俺は驚きを隠せずにいた。


(ここまで、圧倒的な試合になるのか…)


素人目に見ても、竹馬部部長の動きは人間離れしていたが、蛇尾の動きはそんな彼を嘲笑うかのように、三次元的で、圧倒的だった。


流石の大原女も、険しい顔をしている。


その静寂を取っ払うように、敗北した田中に蛇尾が詰め寄る。


「だから言ったのだ。謝るなら今のうちだとな。所詮丙のお前が、甲である我らに勝てる道理など初めから無かったのだからな」


悔しさで地にうずくまる田中への、心底見下したような表情。


「これで、お前らの部はこの翼賛会に負けるのが四回目だな。また、一か月の部活停止だ。間抜けども」


そう言って蛇尾は、部活停止に関する紙だろうか、を田中に投げ捨て、グラウンドが元に戻ってから、去っていった。最後に、こちらを見た気がするが、気のせいだろう。


「クソッ!また奴らに!俺らの楽園が‼侵された!」


田中は、拳を地面に叩きつけながら、怒りの慟哭を吐き捨てた。


「また、挑めばいい、次は俺たちが、あいつらを倒す訳だが」


セグウェイ男と、一輪車女も集まって田中を励ます。その光景は、部活動を超越した、光る魂の共鳴のように俺には見えた。



 「歩、私たちも行くわよ」


歩き出す大原女に俺も着いていく。


「お前、良く感情的にならなかったな。てっきり翼賛会の奴に殴り込みにでも行くと思ってたぞ」


俺は素直な所感を述べる。


「あたしだってそうしたかったわ。あいつらの蛮行は許されざる行為よ。でも、今ケンカを売っても絶対に負けるわ。私、負け戦はもうゴメンなの。だから!」


俺の手を引っ張りながら、大原女は走り出す。


「どんどん血戦をして、強くなるわよ!歩!」


彼女は、高らかに。宣言をするのであった。こいつは、こういう奴だったな。


「もう最初の相手は決めたのか」


校舎に入る前に尋ねると、大原女は自信に満ちた顔で発表する。


「決めたわ、あの戦いを見て分かっただろうけど、甲と丙には、競技の実力差を埋めるのに十分な身体スペックの差があるわ。


「確かにそうだろうな。竹馬部も決して弱くは無かった」


「ええ、だからまず狙うのは、最低ランクの丁よ」


「意外と堅実なんだな」


こいつならすぐに乙あたりに挑戦すると思ってた俺が言う。


「さっきも竹馬部が部停食らってたでしょ。一か月の部停は大きすぎる損失だわ。私には、自時間が無いの」


あえて俺がそれをスルーすると、大原女は言葉を続ける。


「だから、なるべく最短で、負けるリスクを極限まで減らしていくわ。その栄えある最初の相手に選ばれたのは」


俺も少し息を呑んでその発表を聞く。この相手次第で、俺が解放されるかどうか決まるからだ。


「選ばれたのは、松ぼっくり解体部よ!」


「どんなだよ!」


ついツッコんでしまうが、この学校ではこれが普通なのだ。異常が普通な学校、そんな所に、俺は入ってしまったのだ。



ついったしてる@suiren0402desu

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