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{第18話} 血戦の開始

血戦規則


其の二 、血戦の審判は生徒会が主導で行い、公平な審判を下すこと。血戦中、本校則を破るか、相手が生命の危機に晒される恐れがあると審判が判断した場合、違反者の属する部を三か月の部活動停止とする。二度違反した場合、違反者の精査の後、その者へ一年間隔離室への更迭を課す



 「我々は、翼賛会のメンバーである。貴様ら、この騒ぎはなんなのだ」


厳とした態度で、一人のいかにもな下卑たオーラを纏った、長髪の男が話始める。


「何ってただ競争してだけだが?」


セグウェイに乗った眼鏡の男がすかさず反論。


「そうだぞ!この学校は自由なはずだぞ!」


竹馬に乗っていた男が、熱血漢丸出しでそれに倣う。一輪車に乗っていた女は、翼賛会のメンバーをただ黙って睨みつけている。俺でも後ずさりしてしまいそうな圧力が、乗り物三人衆(仮称)にはあった。そんな圧に臆する様子も見せずに、翼賛会のメンバーは更に一歩歩を進める。


「貴様ら、そんな態度をして、本当に大丈夫か?謝るなら、今のうちだぞ」


下卑た、卑屈な笑み。


「お前らの横暴にはうんざりなんだぞ!俺らは!今年度こそは、お前らの暴挙を止めるんだぞ!」


オオオ!と竹馬男にならって盛り上がる集団。あいつらは、部員なのだろうか。


「ほう、どうやって止めるのだね!」


「それは、血戦しか無いんじゃないのー?」


おかっぱの一輪車女が気の抜けた声で呟く。


(血戦、名前だけしか今のところ知らないが、どんなことをするんだ?)


大原女に聞きたいが、こいつは顔バレを避けるためか俺の背に引っ付いて真剣に覗いているので聞ける雰囲気ではない。


「懲りずに我らに挑むその度胸、買ってやろう。今からでも良いが、どうする?」


「もちろん今からやるぞ!我が相手になろう!」


血の気の多い竹馬男が勝負を受ける。


(確か血戦は生徒会が審判をするが、甲に属する部活には強制開始権があったんだってな)


昨日見た校則を思い出す。


「では、お前らのルールに則って、竹馬勝負でもしてやるか。手短にお前と我の一対一だ。」


「ああ、いいだろう」


準備運動を始める両陣営。試合をする二人以外は、慣れた足取りでグラウンドの隅へ移動するので俺らもそれに倣う。


「おい、これから何が始まるんだ」


じっと翼賛会を見ている大原女に話しかける。


「私も聞いただけだけど…」


ゴゴゴゴゴゴゴ…


大原女が話し終えるより前に、グラウンドが地響きを上げ始めた。


「地震か?震度4程度はありそうだが」


「違うわ。下を見てみなさい」


大原女に言われるがまま、下を見てみると、グラウンドが上にせり出していた。


「な、なんなんだよこれ!」


あまりに非現実的な光景に俺は流石に焦りだす。


グラウンド全体が地響きを上げながら、十メートルは優に超す高さまでせりあがったのだ。


「一応、ルールを確認しておくか。たしか竹馬の持ち手部分についているレーザーポイントピストルで相手の頭に先に三ヒットした方が勝ち、だったか」


「ああ、そうだ。あとグラウンドを出たら場外判定で負けだぞ!審判はまあこんだけのギャラリーがいれば要らないか!」


「そうだな、宣誓も、今は不要だろう。開始の合図は俺の部下にやらせよう」


二人は、グラウンドの真ん中を境に、20メートルほど距離を取り、竹馬に跨った。高度が高くなったことにより吹き付ける春風が強くなっている。


「なあ大原女。傍から見ればあの熱血さんのほうが強い様に思えるんだが。これまでの戦績はどうなんだ」


「見てれば、分かるわ」


こちらを見ずに、言い切る大原女。


審判が二人の間に登場し、号令を下す。


「それでは、甲所属の翼賛会テニス部門副会長蛇尾健矢と、丙所属の竹馬部部長田中清太の血戦を開始する!それでは」


両者が構え、相手の動きを正視する。土煙以外の世界が止まったような刹那。


「始め!」


 血戦が、開始した。


ついったしてる@suiren0402desu

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