{第17話} 凌三の暗部について
血戦規則
其の一、血戦とは部活同士の紛争解決手段として本校に設置された絶対の規範である。すべての部活動が対象であり、双方合意の上でルール、日取りを決め、血戦三日前迄に生徒会に「血戦申込書」を提出す
「だーれだ」
声を低くしてはいるが、アニメ声が特徴的過ぎてバレバレだぞ。機嫌は治ったらしいが。
「何の用だよ」
「だーれだ」
答えなきゃダメなのか。
「大原女」
「せいかーい!」
俺が振り向くと、昭和のような体操着の大原女がこちらを見ていた。ブルマで無いのが救いか。
「…………」
「ちょっと…」
俺の意識が止まりかける。
「ちょ、ジロジロ禁止!」
胸と足をとっさに隠し赤面しながら咲はこちらに警戒の表情を向けてくる。
その言葉で意識を取り戻す俺。
「ああ、すまん。そのあまりにラノベ展開すぎて」
「何意味わかんないこと言ってんのよ」
自分でも意味不明な言い訳をしつつ平静を装う。
「それで、なんだその恰好」
(目の毒すぎるから勘弁してくれ)
「ちょっと広報の人に新しい体操服のモデルをやってくれないかって頼まれちゃって、ってそんなことはどうでも良いの!」
一気に仕切り屋モードに入る大原女。
「あんた、あのグラウンド見てたでしょ」
「見てたってか見せられたってか、まあどっちでもいいか」
「目の付け所が良いわよ。多分あの後に、私があんたに見せたいこの学校の暗部が見れると思うわ。だから行くわよ」
「行くってその恰好でか」
特に深い意味はないがあまり他人には見せたくない俺が渋ると何を思ったか咲は赤面し始める。
「あ、あんたそ、そそれどういう意味よ!」
「た、他意はないぞ!ただ皆の目の毒だって話だ」
自分の恰好を見回しながら大原女は言葉を振り絞る。
「あ、あんたってこういうのが好きなの?」
大原女は噴火寸前の活火山みたくなりながら尋ねてくる。
「…」
俺が何も返さずいるとそれをどう解釈したのか知らんが更にツインテールをM字にさせる大原女。
「いったん落ち着いて、とりあえずこれ着とけよ」
四月とはいえまだ肌寒いので、着ていたパーカーを大原女に渡す。明らかにオーバーサイズだがまあいいだろう。
「あ、ありがとう」
完全に普段の立場と逆になってしまった俺が、しょうがなく大原女をグラウンドの騒ぎの中心地へ連れていく。
そこに来ると、さっきまでのお祭りモードから一転して、さっきの乗り物三人衆と白の学生帽を被った三人が、一触即発のムードを漂わせていた。
ようやく本調子を取り戻したらしい大原女が俺に解説をし始める。
「歩。昨日のCCCの発言覚えてる?」
「ああ、確か翼賛会がお前の姉さんが後ろに付いてるのを良いことに血戦とかを厳しく取り締まってるんだっけか」
「そうよ、そしてあの白い学生帽を被った奴らがその翼賛会の奴ら。この学校の最高ヒエラルキーに位置している甲の肩書を持った、姉が作りだした歪みよ」
非常に憎らしいような響きを持った言葉は、麗らかな春にそぐわない、上滑りするような響きがした。緊張状態を打ち破るかのように、翼賛会の面々が、動き出した。
ついったしてる@suiren0402desu
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