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{第14話} 成り上がり方

凌三高校校則


其の四、年に二度の部活動審査会で不適とされた部は、強制解散とし、その部に属するものは一年間それに準ずる部の作成を禁ず



 「広いな…」


そこには3LDKぐらいはありそうな、部屋を持て余しまくっているご様子の部屋があった。テレビにソファにベッドにパソコン。キッチンは使われた痕跡が無く、殺風景な、モデルルームを見ているようだった。


「あんた、何食いたい?」


ツインテールを邪魔にならないようにポニテに直す大原女。


「お前、絶対に料理したことないだろ」


大原女は図星の顔をしつつ、聞かなかったことにして準備を始める。


「ご飯は炊いてあるから、カレーで良いわよね?」


「ああ、カレーならミスりようが無いしな。テレビつけるぞ」


こいつに無理に食い下がることの無意味さを身に沁みて分かってきたので、ここはスルー。


ちょうどヒ〇ナンデスがやっていたので、懐かしさを嚙み締めつつ、無心で眺める。


ゴゴっゴゴゴゴゴ!


(工事の音か。やけに近いところでしてるんだな)


バリバリバリ!バリリリリィ!


(今度のは明らかにおかしいぞ!)


不審に思って大原女の方を見ると、包丁からどうしたらそんな音が出るのか分からないが、人参を木っ端微塵にしている奴の姿があった。


「お前!何してんだよ!」


「だ、だって力加減が分からなくて!」


「加減どころの話じゃないだろ!良いから退いとけ!」


事件現場のようになっていたキッチンに俺が行き、大原女から包丁を簒奪しようと試みる。


「いや!私がやるの!」


「ガキかお前は!良いからよこ、あっぶな!」


大原女が振り回した包丁が俺の頬をかすめる。


こいつの脳内取説に、やっていることを邪魔されるとキレる。と追加しつつ、懐柔策を思いつく。


「じゃあ、俺が加減を教えてやるからほら、一回深呼吸だ」


「スーハー、スーハー」


「よしじゃあ後ろ行くから、振り回すなよ」


「分かってるわよ」


爆弾処理をするような足取りで俺は大原女の背後に行き大原女の手の上から包丁を握る。


「ホラ。こうやってやれば普通に切れるだろ」


こいつの手を暴走しないようにガッツリ掴みつつ具材を切っていく。こうすればこいつはキレないと踏んだが、正解だったな。なんか大人しすぎるような気もするが。


「おい、聞いてんのか」


ちっこい大原女の顔を覗き込む。


「あんたって、その、不健康そうな体なのに意外とがっしりしてるなって思って」


いつになくしおらしい大原女。いつもはこいつから近づいてくるのに、近づかれることには慣れてないみたいだ。これは大きな収穫かもしれない。


「ああ、一応ガキの時はサッカーしてたしな」


それも何年前だろうか。


「へえ、今のあんたから想像できないわ。なんでやめちゃったの?」


「それは、言いたくないな」


俺の手が止まり、大原女がこちらの表情を伺ってくる。


「…そう、誰にでも隠したい過去はあるものね」


何かを察した大原女が気休めのように呟く。俺は、どんな顔をしていたのだろうか。


そこからは、俺らにしては珍しく静かに作業をした。そして大原女と食卓を囲みながら、学校のあれこれと、今後の方針を聞き、今日は解散することになった。



 家に着き、今日大原女に言われたことを整理する。この学校は所属人数に応じて部活の階級が上がるシステムがあるらしく、上から甲、乙、丙、丁となっているらしい。それぞれの詳細は、学校のアプリに校則として載っており、こんな風になっていた。


其の二、部への所属人数で甲乙丙丁と等級が決まる。


甲・三十人以上で校則審査会での拒否権と血戦の強制開始権を有す


乙・十人以上で部室の所有、改修、又校則審査会への校則草案提出権を有す


丙・五人以上で正式な部となり、部活棟使用の優先権を有す


丁・五人未満では前記の権利を有せず


  と、書かれており、血戦の厳重な取り締まりをしている翼賛会というのも、この学校に二つしか無い甲のれっきとした部活であり、翼賛部で無いのは、格の違いを見せつけるためだそうだ。ちなみに昨日大原女が解散させたCCCは丙に属していいたらしい。


(というか、校則少なすぎだろ…)


十個ほどしかない校則のほとんどは部活と血戦の規定に割かれており、通常の学校生活に関わる制約は無いに等しいどころか、存在していなかった。


(ん?)


俺は校則で気になった点があったので、大原女にメッセージを送ってみる。


すると、すぐに大原女からの返信というかボイスメッセージが届く。打つのがだるいのでボイスメッセージでやり取りをするそうだ。


「あんたお手柄じゃない!明日は絶対に私と学校に行くわよ!八時集合時間厳守!」


と言いメッセージは終わった。


(そんなに重大なことだったのかこれ)


俺は再びスマホに写るある校則に目を向けた。


其の六、次期頭取は年内に現頭取が指名、もしくは選挙を行うものとする。単一の部に所属する者が生徒の過半数を占める場合、頭取と部長の合意の上、二陣営での一騎打ちも可能とす


ついったしてる@suiren0402desu

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