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隣の席の目堂さんは髪の毛に蛇を飼っている ―そして僕はトマトジュースを飲む日傘男子―  作者: ひゐ
第三話 この状況を楽しむわけにはいかないけど、僕だって子供で男だ
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第三話(09) 現代社会を生き抜くのに失敗したら


 * * *



 ――バックヤードの薄暗い廊下。青林はスマートフォンを眺めていた。映っているのは、このショッピングモールにある店の一つ。先程府川と話していた中学生二人がいる。


「……がっかりさせちゃったのは悪いし、自分達と同じ仲間を見つけたいって気持ちは、理解できなくないけど、困るのよね~」


 先に光を灯した指を振るえば、スマートフォンの画面は瞬き、ありふれたホーム画面に戻った。


 府川を操り、無事にあの二人を追い出すことに成功した。その後どう動くか、一応観察していたが、どうやら「本物の魔法使いはいない」と判断したようだった。


「人間にうまく溶け込めてるんだから、他の奴らと関わりたくないのよ~」


 もしも仲間を作って、その仲間が何か「ミス」をしたらどうなる?

 最終的に、自分の正体もばれてしまうのではないか?


 とにかく、相手が誰であっても、正体を教える気はなく、交流を持つ気もなかった。

 落胆させてしまったものの、府川の記憶を消してやったのだから、その分だと思って許してもらいたい。警察に通報しかけていたのだから。


 そろそろ戻らないと、と青林は歩き出す。ショーは終わった。片付けはまだ残っている。


 かつかつと、廊下に足音が響く。

 と、青林は立ち止まる。足が止まる。

 足音は止まらない。


「――誰?」


 気配を感じ、振り返る。暗い廊下に、人影が一つ。よく見えない、目を凝らす。

 果てに青林は、目を大きく開いた。


「その、格好……まさか『狩人』……!」


 直後に、走り出す。謎の人影はマントを翻し、後を追う。

 その様子を眺めていたのは――廊下の暗がりに溶け込んでいた、黒猫だけだった。



 数日後、あれほどの腕を持ったチャールズ府川だったが、優秀な助手を失ったことにより、マジシャンを辞めざるを得なくなった。

 助手の青木は失踪し、未だ見つかっていない。


【第三話 終】

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