第6話
私の母が聖女だった
それを聞いたときに私は混乱した
聖女って人々を癒やし救うという伝説のようなもの
その聖女が私の母だなんて
確かに母は私が小さい時いつも優しくて一緒にいると心がぽかぽかと温かくなった
怪我をしたときにはこれは家の人達には秘密よと怪我を魔法で治してくれた
母は私の中で聖女みたいな人だった
しかしまさか本当に母が聖女だったなんて
「信じられないかもしれないが君の母のアリス様には本当に助けてもらった」
他領であるアトリーヌ共和国が助けてもらった?
「アリス様は私達アトリーヌ共和国の瀕死状態の兵士達を魔法で癒やしたのだ
敵であるはずなのに」
「なぜ敵なのに助けるのだと兵士が聞いたら
アリス様は敵も味方も関係ない命は尊いものであって人どうしの争いで失ってはいけないとおっしゃった」
あ
母らしいな
いつも命を無駄にしては絶対にいけません
争いごとはだめだといってきた母らしい言葉だ
「君は聖女なのだな
だから聖女しか使えない魔法が使えたのか」
うん?私自身が聖女?
ありえないありえない
三歳の頃に受けた聖女検査で何も反応はなかった
それに私は・・・
「なぜ君が目覚めたのかが不思議だな」
あっ
あの魔法を使うと永遠の眠りにつく
でも私は今生きている
なんでなのだろう
「こんな偶然があり得るのだな」
一つ思い当たる節がある
あの白い空間で起きたことをクロス王子に話すと
「そうかそれは夢ではないのかもしれないな
懐かしい声と言ったがそれは君の母親なのではないか」
「君の母親はまだ君に生きていてほしいの願ったのではないか」
ああ
そうだあの人は母だ
いつも私のことを第一に考えてくれて
つらいことがあっても本当に幸せだった
ありがとうお母さん
私頑張って生きるから
「だがこれから一切その危険な魔法は使用しないように」
「はい」
「良い返事だ」
「が」
「他にもまだまだ聞かなければいけないことがあるんだよ」
ひー
「ななななんでしょうか」
「まず一つ目この紙は何かな」
こここの紙は
私がアトリーヌ共和国の人達がブルース国の自作自演に巻き込まれないように書いた紙
私がいなくなって面倒なことにならないようにするために書いた紙が
まさかこんなふうに面倒ごとになるなんて
「この紙君が書いたんだよね
中身はじっくり見させてもらったよ
ここに書かれてあることが全て正しければすごく大変なことだよね」
「えっとその紙は」
「この襲撃はブルース国の自作自演です
なのでアトリーヌ共和国には責任がありません
盗賊はブルース国が雇ったアトリーヌ共和国の人達だと思います
気をつけてください」
「なんの根拠があって書いたのかな」
「それは勘です」
「は?」
「半分勘ですが私の勘はこういうときには百パーセントあたります」
「半分勘だと言ったがそのもう半分は何なのかな」
「私達が襲撃に遭った馬車はブルース国からアトリーヌ共和国に入ってから起きたものでした
それに盗賊の人達はアトリーヌ共和国の人達」
「なぜ盗賊がアトリーヌの人達だとわかるのだ」
「魔力ですよ」
「魔力だと」
「魔物と人間の魔力が違うようにアトリーヌ共和国とブルース国の人達の魔力はほんの少しですが違うのですよ」
「本当なのかそれは」
「はい」
アトリーヌ共和国には精霊が住み着いているという
精霊の加護を受けているアトリーヌの人達はブルース国と魔力が異なる
「そうかそれで盗賊がアトリーヌ共和国の人達だったらなぜ都合が悪くなる」
「アトリーヌ共和国の盗賊の人達が私を殺したことによる責任を取らせるつもりだと思います」
「それはその」
「ブルース国はアトリーヌ共和国への賠償金の支払いが終わっていませんがブルース国にはお金がありませんなのでブルース国の人間がアトリーヌ共和国の人達に殺された責任を取れということでしょうね」
「君は冷静過ぎないか自分のことを話しているのに」
「そうでしょうか」
エリーナは何があっても冷静に物事を考えられる
「まあブルース国の自作自演という理由はわかったがしかし」
「しかし?」
「君を殺すのに失敗したブルース国は・・・」
「そうですね私の命を狙ってくるでしょうね、うちの家系は国王との関係が深いですので」
「許せぬ・・・」
「あの何かおっしゃいましたでしょうか」
「いやなんでもないが」
「関係が深いというのに狙ってくるのか」
「関係が深いからですよ関係が深い令嬢が殺害された
これはアトリーヌ共和国からの宣戦布告だとかいって責任を取らせ賠償金をなくそうとでも考えているでしょうに」
ブルース国の国王は血も涙もない人だ
身内ではない人が死んだところでなんとも思わない
「君はこれからどうしたい」
はい?
「ここにいても命を狙われるだけだもし戻りたいのであれば内密に動くことも可能だ」
私は・・・
そうだ家に帰ったところで命の危機にあうのは同じだからいいけどクロス王子を巻き込んでしまうのは・・・
「私は迷惑なんてことは思ってないからな」
えっ
どきっ
「君は家族から虐げられてきたのだろう
体中にある痣に年齢的に見てもやせ細りすぎている体、噂とは違う優しい令嬢
それを考慮みてそう思ったのだが違うのか」
「はい・・・そうです」
「そして私は優しいエリーナと一緒にいたいとおもっているし惹かれれいる」
「クロス王子・・・」
「俺と結婚してくださいエリーナ」
このどきどきする気持ち
緊張などではないむしろ心地良い
ああ私はクロス王子が好きなんだ
「もちろんですクロス王子」
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