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偽悪役令嬢は幸せになりたい  作者: rinda
第一章
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第3話


シリアスです

 



 訳あって他国に嫁ぐことになった私、エリーナ・キャリルですが。

 今現在絶対絶命と言っていいほどのピンチです。

 色々修羅場を乗り越えてきた私ですがこれほど命の危険に陥ったことは無いと思います。

 うん?でもあれも辛かったし...。

 まあもうどうでも良くなってきました。


 もう言っていいですよね。


 なにがどうしてこんなことになるのですか。




 そんなことになる一時間前。


 アトリーヌ共和国に行くための馬車は王子のほうから馬車を用意してくれた。


 優しいすぎる。

 感動で泣きそうなぐらいです。

 戦争をしていた国の令嬢にこんなことをしてくれるなんて。

 クロス王子は噂とは全然違って優しい人だと。


 しかしだからこそ。

 こんなことをしてもらっていいのかと思ってしまう。


 妹のリディアと比べて見た目が劣っていて。

 珍しくパーティーに行けることになっても周りからは見た目も中身も醜い令嬢だとか妹よりも劣っていて恥ずかしくないのかなど散々言われてきた。


 そんな私がこれほどまでに丁寧にしてもらうなんておこがましいと思う。


 馬車に乗るときに荷物までも持ってくれるメイドの人に申し訳ないと思う。


 馬車に乗る。


 いざ馬車に乗ると思うのは

 この馬車の中すごくきれいで美しい。

 馬車に乗ったことはあるけどこんなに美しい馬車は見たことがない。


 椅子も座り心地がいい。

 いつも地べたで作業をしたり寝たりしているからこんな座り心地のいい椅子になんて出会えてなかった。


 今、自分の人生の九割ぐらいの感動に匹敵するほどの感動である。


 窓から景色を見ると

 街ってこんな感じなんだと思う。


 家から外に出ることは一年に一回あればいいぐらいだった。

 それに外に出たところで醜い、汚いなどの悪口しか言われないので外に出たいとは思っていなかった。


 街ってこんなに明るくて楽しいところなんだ。


 街からだんだんと遠ざかっていき森奥深くに入っていく。

 ブルース国とアトリーヌ共和国の間には大きな森が存在する。

 魔物はいないがあまりにも森が大きく薄暗いため森に入る人は数えるほどしかいないそうだ。


 使用人らしき人が

 あと少しでアトリーヌ共和国に入りますよ

 と言った瞬間。


 馬車に大きな衝撃が加わった。


 あまりにも突然のことでなにか分からなかった。

 急いでドアを開けると。

 奥の方から全身黒い服を着たひとがやってきた。


 瞬時に状況を理解した。


 襲撃。


 突然の襲撃に少し驚きながらも状況を考える。

 なにか意図があるはず。


 でも今は意図なんて考えている時間はない。


 相手は武器を持っている。

 下手すればメイドさんや執事の方まで怪我をする。


 ふとお母様がいつも言っていたことを思い出す。


 絶対に関係のない人を傷つけることはしないこと。

 そして関係のない人達が傷つきそうになったら絶対守ってあげること。


 はい、お母様私はその言葉を忘れたことがありません。

 お母様は困っている人達をいつも助けていました。


 私はお母様の子です。だから。


 これはアトリーヌ共和国には関係のないこと。


 だからこれは私が終わらせなければいけない。

 この場では殺されない。

 ここで殺したら面倒になるから。

 目撃者がいる。しかもわざわざアトリーヌ共和国の第2王子に仕えているメイドや執事を殺したら国際問題だ。

 殺すとしたら別の場所で殺せと言われるだろう。


 連れ去られるのはいいが自作自演だと思ってもらわないと大変なことになる。


 手紙でも残しておかないと。

 そう思ってさらさらと伝えなければいけないことを書く。


 すると黒い服を着た人達が


「なにやってんだ 変な真似をするんじゃないぞ。

 お前自分のおかれている状況が理解できていないのか。」


 いえ一番よく理解できてると思います。


「さすが自分たちの欲のために攻めてきたブルースの人間だ。

 お前には死んでもらわなければいけないんだ。

 俺たちを憎むなよ、自分がブルース国に生まれたことを憎むんだな。」


 やっぱりそういうことになりますよね。

 分かりきったことだ。

 死ぬのなんてつらくない。


 今までつらいことなんていくつも経験してきた。

 死にそうになったことだってあった。

 もう死ぬのなんてつらくない。

 やっとお母さんのところへ行けるのだ。


 でも私の人生ってなんだったんだろう。

 殴られたり、蹴られたり醜いと言われなにが楽しかったんだろう。

 お母さんやリズがいたときはつらいことがあっても乗り越えられてきた。

 でも今は私を守ってくれる人もつらかったねよく頑張ったねって褒めてくれる人もいない。


 一体なんのために頑張ってきたんだろう。


 涙が出てきそうなのに心はすごく冷めている。


「やっと自分のおかれている状況が理解できたか。

 お前には俺たちと一緒に来てもらう。」


 でも私にはやるべきことがある。


 守らなければいけない。

 お母様の子供だから絶対に守ってみせる。


 時間稼ぎをできればいいが状況的には無理がある。


 私が戦うにしてもそこまで時間は稼げない。

 ここは最終手段を使うしか無い。


 ”フォーリーウォール”


 この魔法はお母様がどうしても守りたい人できて絶体絶命の状況になったら使いなさいと言われた魔法。

 人間には負担が生じるが必ず術者が守らなければいけないと思った相手を守ってくれる。


 これでいいよね。

 ちゃんと守れたんだから。


 だんだんふらふらしてきた。

 限界なのだろう。


 やっとお母様のところへ行ける。


 そう思ったところで私の意識は途絶えた。





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