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偽悪役令嬢は幸せになりたい  作者: rinda
第一章
2/7

第2話

 


 突然婚約話が出てきてびっくりしない人はいないと思う。


 だけどリディアの代わりにって言うのは納得する。


 確かアトリーヌ共和国の第2王子で冷酷非道と称されている。

 噂なので実際はわからない。


 冷酷非道な王子に嫁ぐなんて嫌だと、エリーナに嫁がせればいいとリディアが言ったのかもしれない。

 そんな様子が簡単に目に浮かぶ。


 そんな可愛い可愛いリディアに言われたら断れなかったのであろう。

 ということでその話が私に来たということになるのだと思う。


 そんな理不尽なことはいつものこと。


 リディアのために嫁ぐんだ、これ以上の幸せな婚約は無いだろうという父は心底ムカつくが、利益のほうが大きいと感じる。


 さすがに冷酷非道とはいえこの家より酷いことは無いと思う。

 思いたい。

 そうだよね そこまでじゃないよね。

 なんだかすごく不安になってきてしまった。

 噂であり、実際に本人に会わないとわからないし大丈夫だと信じたい。

 まあ冷酷非道であれそこまでではないとは思うがこの家より酷い扱いをされれば逃げればいい。


 そういえばなぜ他領の王子がこの国と伯爵家の令嬢と婚約するのだろうか。


 おかしいだろうと思う。

 王子と伯爵の令嬢と婚約なんて物語でも出てきていないというのに。

 いろいろ考えているとある結論にたどり着く。


 私達の住んでいる国ブルース国とアトリーヌ共和国は戦争状態であった。

 長い間戦争を続けた結果はアトリーヌ共和国の勝利となった。


 そして勝者であるアトリーヌ共和国への戦争での返済金があるのだろう。

 敗北したブルース国は最近経済の周りが悪いのはそのせいだ。


 今、国にはお金など無いだろう。

 

 国民にはそもそも戦争をしたとは伝えていない。

 軍を使うのは近くに凶悪な魔物がいて駆除するためだとか言っていた。


 単純に考えるとちゃんと戦争によって損失したお金を貰わないとアトリーヌ共和国までもが経済が悪化する。

 私でもそれは大変なことになると思う。

 

 それを危惧した国が人質でも取って損害したお金と取りたいと思っているだろう。

 

 私達キャリル家は以前から国王と親密な関係である。

 

 似た者同士だから仕方ない。

 国王と父は随分と似ている。

 態度や口調、性格など双子なのではと思うほどである。


 リディアをなぜ指定したのかわからない。

 国王がそもそも領地を広げたい、アトリーヌにある大量の食料が羨ましいからという、子供じみた考え方のせいでこうなっているのである。


 少しぐらい反省してほしい。


 人質を誰にするかと悩んでいたのだろう。

 リディアは人気者だ。

 アトリーヌ共和国が無理やりリディアを人質にしたんだと言って同情でもかおうとしたのだろう。

 自作自演であるのに。


 アトリーヌ共和国はほんとは人質なんて欲してしないと思う。

 アトリーヌ共和国は比較的温厚な人が多いと聞いている。

 そもそもこの戦争もあちらは国民を守るためにやっただけでこちらが攻め込んだのである。

 勝手に攻め込んできて自作自演の演技なんてされたら涙が出てきそうになると思う。

 あまりにもひどい。


 人質は苦渋の決断だったのかもしれない。


 だがここはアトリーヌ共和国ではない。


 ブルース国だ。


 この国はアトリーヌ共和国とは正反対に近い国だ。


 国王が絶対的存在であり。

 逆らったら子供でも妊婦でも殺されるという恐ろしい国である。

 どれだけの人が国の政策で亡くなったか。

 考えるだけで胸が痛い。


 そして私は人質として

 アトリーヌ共和国のクロス王子と政略結婚することになるということ。


 そう思うとなかなかだと思う。

 推理なので正しいかは分からないが多分そうだろうと思う。

 他に何があるというんだろう。


 まあ私なんかに幸せな人生なんて訪れない。

 婚約話が来ること自体が初めてである。

 逆らえもしないのだからそもそも選択肢は1択。


「分かりました、この婚約喜んで受けさせていただきます。」




 そうして時が過ぎ、

 ついにアトリーヌ共和国へと嫁ぐ日が来た。


 準備と言ってもろくにものなんて与えられてなかったのだから、

 準備物は本13冊と服2着ぐらいだ。


 本が多いかもしれないが本は持って行ってもいいと言われている。

 そもそも本を読まないからいらないと言われた。

 本を大切にしないなんてありえないと思う。

 おかしいとしか思わない。

 しかし本を取られたは取られたでつらくなるので良かったと思う。


 それはそうと準備物は用意したしさすがに王子に会うのでと髪を洗って茶色に染め直した。

 染め直したくないが仕方がない。

 リディアが私の青い髪を見てずるいと言い出して無理やり染めさされたのだから。


 今までのことを考えていると泣きたくなってくるが。

 そんな家も今日で最後だ。

 なんだか感動的なぐらいだ。

 もうこんな家にいなくていいと思うとすごく嬉しく感じる。


 父やフラルに一言、

 今まで育ててくださってありがとうございましたと言って。


 この最悪な思い出しかない家から去った。










 やっとエリーナの物語が動き始めました

 応援よろしくお願いします!




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