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新たな拠点を求めて③

 空中庭園…ガーデンとの契約は無事完了したが、まだやる事は多い。例えば――


「ビイトさん、ここに本部を置くとしても、廃墟と草花しかここにはないように思えるのですが?」

 未だに俺の腕に巻き付いているリサの言葉に、カレンがフフンと鼻を鳴らす。そして今度はカレンが勝ち誇った表情をしていた。


「ふっふっふ。無知とは怖いものよね。さあビイト!見せてあげなさい、この空中庭園の秘密を!」

 カレン…何故お前が俺に命令しているんだ。わけがわからんが、まあいいや。取り敢えずタッチパネルのこのアイコンかな?モニターに表示されているアイコンを操作すると――


「え、おい!辺り一面を覆っていた草が消えたぞ」


 当たりのようだ。神の奴め、多少アイコンの図柄を変えてやがった。そのおかげで少し戸惑ったが、自分が配置したアイコンの順番を思い出す。でもまあ、アイコン操作なので感覚的に出来る分、苦労はしない。


「え、今度は廃墟が消えました!」


 うんうん。ゲームなんてした事もないであろうリサとスラフには受けがいいな。


「さて、お次は島の拡張…っと」


 ゴゴゴゴゴ…

 遠くから大きな物音が聞こえると、リサは更に強い力でしがみ付いてきた。…あ、ああ、気持ちいいものが腕にぃいい。


「ちょっとちょっとちょっと!リサ、アンタいつまでしがみ付いてるのよ!ビイトが操作し辛そうでしょ?!」

 カレン…邪魔をしないでくれ…今、リサのいいとこが当たっているんだー…。


「あ、魔力疲労が…」

「ビイトさん!」

「…嘘は良くないと思うよ、ビイト。この操作って魔力いらないよねぇ?」

「え、そうなんですか?」


 カレーーーン!余計な事を言うなぁあああああああ!!!


「…流石に兄として、いい加減見過ごせんなくなってきたぞ…ビイトよ」

「は、はふう!?」

「???」


 スラフが俺の首に手を回し締め付けると、頭にハテナマークを浮かべながらリサが俺から離れた。くっ…貞操の危機を感じとったか!


「あのねぇリサちゃん、あんまりビイトにしがみ付いてると、それだけで妊娠させられるちゃうかもしれないわよん?」

 なんて恐ろしい事を言うんだセレナ!?俺はどれだけ変態魔神なんだ!!!


「え、ええ!?そうなんですか!ならもっと――」

「させるかあああぁああ!!」


 リサにカレンが組み付き、俺にはスラフが組み付いているんだが…これはどういう画なんだ?


「ビイトよ、操作に集中してもらおうか?今は邪念を振り払ってもらうぞ」

「わかった、わかったから離してくれ。頼む、スラフ」


 タップする寸前になってようやくスラフの腕が俺の首から外されたが、今度はカレンに代わってスラフはリサの肩を掴んでいる。…ちぃっ!



「これをこうして…議会場はこんな感じで…家はどうするかな…」

「お庭があって、そこには白いブランコが…」

「ふむふむ」

「この人数なら2階建てか3階建てで」

「なるほど」

「ビイトさんと私の部屋は一番見晴らしのいい3階の――」

「ほうほう………ん?」


「待て待て待てーーーーーーぃ!!」

 スラフの叫び声で俺はハッと我に返った。そう、横から意見を出していたのはリサだったのだ。


「…リサ、お前はここに住むつもりなのか?」

「え…だって兄さん、銀翼亭はなくなってしまったし丁度良いとは思いませんか?」

「…取り敢えず落ち着こう。ここに座れ」


 正座をして向かい合う兄妹がそこには居た。


「丁度良いとは聞き捨てならんよ?いいか?あの居酒屋と宿は、亡くなった父さんと母さんがそれこそ苦労をしてだな――」

「でも、もうないです」

「う、うん。ないな…でもしかしだな――」

「ここにギルド連盟の方々が通うようになるのなら、良い商売が出来るとは思いませんか?」

「あ、あ、ああ、う、うん、まあそうなんだが…」


 チラリとスラフが俺を見る。何?なんだよ急に!?


「あ~…ほら、そんな他人様の力を借りてだな、そんな安易に…」

 スラフは色々言葉を選んでいるようだが、何やら雲行きが怪しい。


「ならば、私がビイトさんと結婚すればいいんですよ!そうすれば家族になるので他人様ではありま――」

「待てゴラァァアアアアア!!何寝惚けた事言ってんじゃワレぇえええ!!!」


 今度はカレンをセレナが押さえつけている。なんだこの修羅場…。俺は何を見させられているんだ?


「…………」

「……スラフ兄さん!」

「………リサ、ナイスアイディアだ!」

「おい、スラフ!!」


 流石に俺もつっこんだ。勝手に自分達で話を進めるんじゃねー!!てか、兄妹で俺にウインクしながらグッドサインかますな!!!

――と、そうこうしてる間にもギルド総本部が建ち、俺達の家も建てた。家の方は希望には添えないが、2階建てでそれなりの広さをとった。


「…………結婚は兎も角、銀翼亭2号店はここな」


 そう言うと俺は決定アイコンを押す。すると、グッドサインをかましている兄妹の目の前にそれは出現した。


「うおおおおおぉおお!3階建てーーーー!」

「兄さん兄さん!広さも段違いよ!」


 鉄筋コンクリートの3階建て。1階は大きなパーティーも開けるホールと、それに対応出来るだけの広さの厨房、倉庫などを備え、2、3階にはVIPにも満足してもらえるだけの広い部屋。各部屋にはミニキッチンと風呂トイレも備え付けた。そして更にはエレベーターも追加してやった。


 どうだ!これで文句あるまい!!


「うふふ、見事な宿をありがとうございます。でも…私達の家がないと云う事は、やっぱり結婚していただけるんですね、ビイトさーーーん!」

「あ”っ!!」





 その後、兄妹で住むのに丁度良さそうな3LDKの平屋を俺達の家の隣りに造った俺だった…。

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