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新たな拠点を求めて①

 ほぼ予想通りギルド連盟本部総会議場はスケア帝国に襲われた。しかし俺の作ったシナリオと違うのは、総会議場は破壊されずに帝国に接収されたと云う事だ。




「そうなると、会議場を奪還するまでの繋ぎの会議場が欲しいところではあるか…」

「そうでありますが、ただ…今ここにアークマスターが存在する以上、奪還する必要もないかもしれないと私共は思っております」


 申し訳なさそうな表情をしてはいるが、ザスカリの瞳の奥には凛とした何かがあった。それは他の議長達も同じようで、一斉に視線を俺に向けて来た。


「…ふむ、立地的にもこれから先の未来に、また同じような事が繰り返される可能性はあるよな」

「はい。ですから我々としては、新たな連盟本部を作るべきかと思います」

「なるほど…もう場所は考えてあるのか?」

「いえ、流石に昨日今日でそこまでは…」


――出来れば何処の国にも茶々を入れられない所がいいよなぁ…。でもそんな都合の良い場所…あるな。


「皆少し待ってもらえるだろうか。新本部にうってつけの所がある。どの国にも属さない理想的な場所だ」


 俺の言葉に議長達だけでなく、スラフやドギ達もざわつき始めた。


「おいおいビイト、そんな場所この世界にはもう存在しないだろう」

「そうであります。地図上のどの場所も各国に属しており…ん?いや、レイド島は属していないですな…」

「いやいやウォールマンよ、そもそもあそこは無限に魔物が涌いてきて、人が住める場所ではないでござろう」

「ならばアベルガルドの台地か?」

「いや、あそこは竜王配下の魔族が支配しておるよ」


 みんな勝手に盛り上がっているなぁ…。レイド島は答えに近かっただけに惜しいんだけどな。


「はいはい、何度も言うがここは療養施設だ。皆静かにしてくれ。結果は追って知らせるから」


「「「は、はあ…」」」


 皆が落ち着いたのを見計らって立ち上がると、リサが手を貸してくれた。自分ではもう元気なつもりだったが、少しまだふらついているようだ。


「リサ、すまない」

「いえ、あなたは私達兄妹の恩人なのですから…」


 リサの瞳がしっとりと濡れているように見える。泣いた後だからな…と、思う事にした。


「町医者の先生、薬は足りているかい?」

「うむ、有り難い事に貴方様が眠っている間に洋上から飛んで来られた妖精王女様が、貴方様のアイテムボックスから山のようにポーション類や医療機器を出してくださいましたぞ」


 よく天幕の中を見ると、俺が来た時にはなかった機器がそこいら中にある。ベッドなども置かれ、万全な状態だ。てか、ぷにこめ、ガイド妖精だからって人のアイテムボックスを…まぁ、良い事に使ったのだから良しとしよう。


「…そういえば、何故俺はベッドじゃなくて布団に?」

「ただの疲労による気絶じゃったからのう。幾ら聖者様とは謂え、ここでは怪我人が優先じゃよ」

「なるほど、失礼しました」


 ん?聖者?そう言えばフィニアもそんな事を言ってたような?

「じゃが、貴重な神聖魔法の使役、有り難く思っておるよ。あれでどれほどの人が救われたかわからん」

 なるほど、そう言う事か。


「そうですか…。それでぷにこ…プニコリエール王女は何処へ?」

「妖精様ならポーション持って、あっちこっち飛び回ってたニャ」

「あっちこっち?働いてるなぁ、あいつ」


 そんな話をしながら天幕の外に出ると、既に陽は落ちていた。順調に消火作業も進んでいるようで、遠くに幾つかの火明かりが見えるだけになっていた。


「…アーニャ、俺はどれくらい眠っていたんだ?」

「4時間?」

「そうですね。確かにビイトさんは4時間ほど眠っておいででした」

「…リサ、悪いんだが手を離してもらってもいいかい?」


 何故かギュッと手を握られたまま天幕の外まで来てしまっていた。頬を赤らめてリサはそっと手を…ん?手を…手…おや?…離してくれないんですか!?


「あの、リサさん…?」

「駄目です。まだビイトさんは魔力疲労が残っています。介添えが必要なはずですよ」

「いや、ほら、これからちょっと用事が…」

「ならば私も付いて行きます」


 これは引いてはくれなさそうだ。助けを求めてスラフを見ると、ヘラヘラと笑っていやがる。


「スラフ…お前…」

「くくくくく、ビイト、観念しておけ。まあ介助となると男手も必要だろうから、俺も一緒するよ」


 …仕方ない。。。


「ぷにこー!ぷにこは何処だー!」


 ちょっと自棄気味に大声で呼びかけると、暗闇の中から淡い光の物体が俺目掛けて飛んでくる。妖精の姿をしたぷにこだ。

「マスター、お呼びでしょうか」

「ああ、今からグリフォンにジャンプするから手伝ってくれ」

「魔力行使による疲労ですね?魔力補助を実行します。このお二方もご同伴ですか?」

「ああ、言う事を聞いてくれそうもなくてな」

「了解いたしました」


 俺とリサ、それとスラフとプニコリエールの4人(?)を光が包んでいく。残った見送りのイーシスの連中はニヤニヤしているな。後で覚えていろよ…。


「ギルド連盟の諸君、数時間後…では皆寝ているだろうから、明日の午後には良い報せがある事を期待していてくれ」


 そう言い残すと、俺達は飛行戦艦グリフォンへと転移したのだった。

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