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第40話:発売日を迎えて

「うっ……うう~ん」


 窓から朝日が差し込み、自然と目が覚めた。

 いつもより数時間ほど遅い起床だ。

 なんだかクロシェットの夢を見ていた気がする。

 しかも、彼女にお礼を言われたような……。

 まぁ、気のせいかもしれない。

 顔を洗ったりして身支度を整え終わったとき、今日が何の日か思い出した。


「クロシェット最新刊の発売日か……」


 そう、今日はクロシェットの第七巻が発売される。

 ちょうど本が出来上がったタイミングでバカンスに行ったのだった。

 棚には見本が収まっており、取り出して表紙を眺めてみた。

 闇魔法で生み出したグラディウスを構えた凛々しい姿のクロシェット。

 今回も上手く書けたしかっこよく描けた。

 ふと、表紙を眺めていたら、クロシェットが笑ったような気がした。


「えっ……!?」


 目をこすってもう一度見たけど、そこには凛々しいクロシェットがいるだけだった。

 なんだ、やっぱり気のせいか。

 もしかしたら、疲れが残っているのかも。

 バカンスで少し遊び過ぎたのかもしれない。

 今日は休み休み執筆しようかな。 

 なんか身体も重くなった気がするし……いや、それは確実に気のせいだろう。

 寝起きの頭でぼんやりしていたら、急にお部屋の前が騒がしくなった。

 すっかり聞きなじみになった男性の声が聞こえてくる。


「ベ、ベル! ちょっといいか!? 今すぐ話したいことがあるのだ!」

「は、はい、どうぞ」


 答えるや否や、間髪入れずフィアード様が入ってきた。

 顔は赤らみ、なんだかすごく興奮されている。

 こんなに息が乱れたフィアード様は見たことがない。

 ど、どうしたんだろう?


「クロシェット第七巻を読んだぞ! 今回も素晴らしい出来じゃないか!」


 フィアード様は一冊の本を抱えながら喜んでいる。

 さっきまで眺めていたのと同じ物。

 クロシェットの最新刊だ。


「えっ! も、もうお読みになったのですか? まだ発売してから数時間も経ってないですのに……」

「私はいつも、発売日の午前中は全ての仕事を外しているのだ」

「な、なるほど……」

 

 そこまでしてお読みいただいているなんて、まさしく作者冥利に尽きる。

 

「高嶺の令嬢の話はずいぶんと加筆したみたいだな」

「はい。今回のメインストーリーでしたので、パシアンタ掲載版よりもっとボリュームアップしたかったんです」

「ほぅ、そうだったのか。描写がより濃密になって読み応えがあるぞ」


 フィアード様は上機嫌で話していたけど、こほん……! と小さく咳払いした。


「だが、君に伝えたいことは別にあるんだ」

「な、なんでしょうか」


 突然、手を握られて心臓が跳ね上がる。

 以前よりずっと近い距離に、私はドキドキしっぱなしだ。


「ちょっと待ってくれ。気持ちを整える」


 フィアード様は何度も深呼吸を繰り返している。

 そこまでしないと言えないことってなんだろうか。

 そんなに重要なことなのかな。

 なんだかこっちまで緊張してくる。

 フィアード様は大きく息を吐くと、興奮を抑えきれないように叫んだ。


「特典ショートストーリーに……皇太子キャラがいる!」

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