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第38話:私は悪役令嬢、クロシェット(Side:クロシェット①)

 あの日、私はこの世界に生まれた。

 そう、あなたが初めて私の小説を書いた日。

 今でも鮮明に覚えているし、永遠に忘れることはない。

 

 あなたはいつだって、どんな辛い境遇でも折れることなく懸命に私の人生を紡いでくれた。

 その熱い気持ちはペンを通して、文字を通して私に伝わってくる。

 そんなあなたに答えようと、私は全力で尊い日々を生きてきた。

 少しでも伝わってくれていればいいけど。 


――あなたが書いてくれるから、私は自分の人生を歩んでいける。

 

 小説の中で生きる人間にとっては当たり前のことだけど、それがどんなに幸せなことか私は毎日実感している。

 私の人生を書いてくれて本当にありがとう。

 感謝を伝えられる手段がなくてもどかしいけど、私はあなたのことを誰よりも大切に想っているわ。


 それにしても、あなたの人生も小説に負けないくらい数奇で尊い運命ね。

 しょうもない婚約者からの婚約破棄から始まって、実は熱烈なファンの皇太子と出会って、大事にしてくれるメイドさんやフェンリルさんと出会って、編集さんと今まで通り執筆したり……。

 ずっと本の中から見ていた。

 婚約者に婚約破棄されたときは、本の中から出て助けに行きたかったくらい。

 あのときは何もできない自分がイヤだったけど、今は元気になってくれたみたいでホットした。


 きっと、フィアード殿下はあなたのことが好き。

 “憧れの作者”という域を超えてね。

 そして、あなたもそのことはよくわかっているんじゃないかしら?

 あなたたちの恋模様も、もう少し本の中から見させてもらうわ。


 どうやら、世間的には悪役令嬢って悪い意味らしい。

 まったくそんなことないのに。

 むしろ、私にはこれ以上ないくらいピッタリの名前だわ。


 ――私は悪役令嬢、クロシェット。


 この先誰に会ってもどんな状況になっても、私は誇らしげにこのセリフを言うでしょう。

 だから……これからもよろしくね、ベル。

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