家族のあり方
アルに求婚されてから、一週間が経った。
両親は、私に結論を出させるような事は一切言わない。
逆に怖いんですけど。
あれから父は、仕事が少し落ち着いて来たのか、夜は相変わらず遅いものの朝食はいつも一緒に食べている。
結婚の二文字には一切触れないが。
今朝もいつものように朝食を食べていると、父が急に今日は仕事を休むと言った。
「え?今日はお休みだったのですか?」
「いや、今決めた。今日は休む。」
「は?え、大丈夫?
どっか調子が悪いのですかお父様?」
私がいまいち状況を飲み込めない間に、父はほうぼうに手紙を書いたり伝言魔法で言葉を送ったりして本当に休みにしてしまった。
こんな事、初めてだ。
体調が悪く熱が出ている時でさえ、母の止めるのも聞かず登城するのに。
母の方をみると、何か事情を知っているのかにこにこと微笑んでいる。
母は折角の休みだし、天気もいいからピクニックでもしましょうよ、と言いだした。
ピクニックはルイスお兄様の里帰りの時以来だ。
場所はお兄様を見送ったあの丘で。
お昼を持ってメイドも連れず、三人で登った。
頂上について並んで景色を眺める。
「少し早いけれど、お昼にしましょう?」
母がそう言って、シートを広げ父が持ってきた簡易テーブルを広げる。
準備ができるとバスケットを開けて、三人で食べた。
何となく、父から話したそうな圧を感じる…。
けれど、全く話す素振りはない。
母は、ただニコニコと微笑んでいる。
若干、父に呆れたような顔を向けているが。
食事が終わる頃、私は何とも言えないこの微妙な雰囲気に耐えきれず、思わず聞いた。
「…お父様、何かあったのですか?」
お父様は顔を上げ、観念したかのように一つ息を吐いた。
「…ローズはずっと冒険者になりたいと言っていたな。」
「それは、はい。ですけど、なんでそんなことを?」
また沈黙が下りた。
「家族と証明できなくなっても、お前は冒険者を選ぶか?」
「証明?証明というのは?」
「貴族籍がなくなると言う事だ。」
「冒険者は貴族籍を持てないのですか?あ、違う。
貴族籍があると冒険者になれないと言う事ですか?」
「私たちの子供と言う証明もなくなる。」
「私はお二人の子供ですよ?
何の為の証明でしょう?
まさか証明がないと会えなくなるのですか?!」
「いいや。貴族との婚姻ができなくなるだけだな。」
「え、それこそ願ったり叶ったりではないですか。」
「お前はそれで本当に良いのか?」
「え、…ひょっとして…冒険者になるのを許してくれるのですか?!」
「…定期連絡は必ず入れなさい。
自分の命を第一に考え、絶対に無茶はしないと約束できるか?」
「え、え、本当の本当ですか?!」
「それから、年に1回、いや月に1回は必ず帰って来なさい。」
「ああ、お父様、お母様!!!」
私は二人に抱き着いた。
お母さんの呆れた顔:この期に及んで…。とか思ってる。
嫁にやるより良いかもしれない…。とか思い始めたお父さん。
お母さんには秘密。




