雑用はローズの仕事
ローズは、好々爺とした顔の司祭を前に何度目か分からないため息を吐いた。
「執務くらいご自分でなさってくださいと、あれほど言ったのに…」
王都から帰ってきたら、今日の分の書類が手付かずだった。
最初は自分でやるように言い聞かせていたはずなのに、なぜか今その書類を片付けているのはローズである。
今日も今日とて自分は良いように使われている。
「ご褒美はやったじゃろ?」
「ご褒美?」
「おや、王都で愛しの君にあったんではないのかの?」
「な!あれはおじいちゃんの差し金でしたの?」
「差し金などと人聞きの悪い。
公爵には伝えたがの、過保護すぎる故あちらまで話が届くか心配じゃったが、うまくいった様だの。」
「まあ呆れた。仕事はなさらないのに、そういう事だけは仕事が早いなんて。」
頭が痛いとローズは額に手をやった。
そう、この教会の司祭は何をどうやったのか今、アイゼン枢機卿、つまりおじいちゃんなのである。
「まあまあ。もう一つ真面目に働くおぬしにご褒美じゃ。
こちらもいい返事が貰えたわい。」
さっきまで王都の教会でローズが受け取ってきた小包を開け、がそごそと何やらしていたおじいちゃんが一枚の手紙を手に持っていた。
「おぬしの目的に一歩近づいたようじゃの。」
ニヤッと笑って手紙を広げて見せた。
それはアイゼン枢機卿への隣国フィノイスの大聖堂視察許可証だった。
「許可が出たのね!ありがとうおじいちゃん!」
「司祭と呼ばんか。それよりわしは先に寝る。お休みローズ。」
「え、ええ?!これ!書類!」
「頼んだぞ。別に明日に回しても構わんがの、どちらにしてもやるのはおぬしじゃ。」
おじいちゃんは自室に行ったらしい。
ふぉっふぉっふぉ、なんて言いながら。
意味が分からない。




