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動き出したシナリオ



守りの魔法の魔道具が出来たので、先日私が考えたシナリオで陛下に相談をすることになった。


「ヘルマン、フィノイスにこの守りの魔道具と翼竜の魔鉱石を交換して貰えそうな手は考え付かんか?」


陛下は困ったようにため息をつきながら言った。

陛下も私の案には反対の様だ。


「無理でしょうな…。

もしも翼竜の入った魔鉱石が守りの魔法効果を無くしてしまったら可能でしょうが、守りの効果は翼竜が入る前と後で全く変わっていないと調査で分かっていますからな。

しかも、神の使いなどと噂されていれば、むしろ交換はフィノイスにとってデメリットしかない。

こちらに食糧支援や関税緩和などの手札があればなんとかなりますが、あの魔鉱石を欲しているのは我が家だけだ。

流石にこの魔鉱石を融通してくれた陛下にこれ以上頼めません。」


陛下は、ルイスお兄様の件でお父様に負い目を感じているようで、王として他の貴族に不自然に映らない程度ならいくらでも協力する姿勢らしい。

けれど、流石に私を修道院送りにするのは協力したくないようだ。


停戦した以上、近い内に国交も正常になるはずだし、その頃に聖地巡礼と称して行く事も可能だと説得された。

でもそれだと時期によっては、私は既に王太子妃になっている可能性もある。

私の15歳の誕生日まで後1年と少しなのだ。

数か月後に国交が回復し聖地巡礼を打診、許可が下りるのを待って、さまざまな手配や手続きをして出発、と考えると先に婚礼を済ませてから、なんて事は起こりうる。


そうなると護衛やあちらの目もある中で、こっそり魔道具を…なんて出来るわけない。

それに比べ私の計画ならば確実に王太子妃になる前に行けるはずだ。

陥れるならば王太子妃になる前のはすだからだ。

もうすぐ私の14歳の誕生日だから、そのあたりでしかけてくるのではないかと思う。

なにせ私の屋敷に入り込める最後のチャンスなのだから。

計画が上手くいき、平民として行けば確実に周囲の目は少ない。


ふと部屋の入り口付近にジークの魔力を感じた。

私が扉を見ているので、それに気付いた二人も察したようだ。

防音の魔法を解除すると、入り口で揉めている声が聞こえてくるようになった。

どうやら立ち入り禁止にしたこの部屋に、ジークは強引に入ってこようとしているようだ。

陛下に目線で問われ、私は頷いた。

元よりジークにはちゃんと話さなければならない。


「ジーク、大人しく待っていなさいと言っただろう?」


陛下が静かに、荒々しく入ってきたジークを嗜めるように言った。

そして即座に防音の結界を張った。


「母上から聞きました。婚約破棄をするかもしれないと!」


「そうしなければ、彼女が自由に動けない。」


「別に、調査ならば誰が行っても良いではないですか!!」


「それは違うわジーク。

古代魔法の解明は未成年の私とアルを守るため伏せてもらっていたから、現状調査が可能なのは私と彼だけだもの。

他の人が行っても、フィノイスと同じ結果しか持って帰らないでしょう。

アルは後少しでストラになる。

ストラになれば古代魔法も解禁になるのでしょうけれど、国のストラ代表として行けば、必ずリリーは研究材料にされてしまうわ。」


そういうと、ジークは苦々しい顔をした。


「今しかないの。お願い、分かってジーク。」


訴えるように彼を見つめた。


「それが終われば、絶対還俗するんだよね?」


じっと睨むように真剣な顔でジークが問う。

その問いには、私ではなくお父様が答えた。


「もちろんだ。ローズが嫌がろうが何だろうが私が還俗させる。」


その一言で、ジークも納得したらしい。

結局私とお父様の考えたシナリオで行動する事が決まった。



*****


そして迎えた私の誕生日パーティー当日。


シュラム公爵はなかなか行動が早い人間らしい。

パーティーで何かが起こるかもと身構えていたら、既に計画は実行されていたようで、パーティー会場に来たのはシュラム公爵でもクリスティアーネでもなく、家宅捜索状を持ったロイド達だった。


もちろん、私は抵抗することなく捕まり、王城に連れて行かれた。

そこで、手筈通り表向き取り調べを受けているように装って、私はすぐに秘密裏に屋敷に戻され修道院へ行く準備をすることになった。

ちょっと出来心で、いつも市井に下りる時御者をさせている厩番のサンドに、馬を出すように頼んだ。

そのまま抜け出して冒険者登録してやろうと思ったのだ。

結局バレた上、諸事情で屋敷には戻れず、サンドまで修道院に道連れにしてしまった。

ごめんサンド。

でも特別手当出るって、良かったね。

起こった事件の内容はあんまり教えてくれなかったけれど、クリスティアーネさんが再び襲われ、襲った犯人が私が指示をしたと言う証拠を持っていたらしい。


うーん、安直。

生ぬるい。


私が指示した証拠ってなんだ?

私そんな物残すほどの馬鹿だと思われているの?


これは、お父様なら簡単に私を還俗できそう。

うーん、平民生活短いかも…。

もっと上手くしてほしいわ。





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