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教会の屋上で



「おじいちゃんって、本当に枢機卿だったのね。」


王都にほど近い古い教会の一室で、目の前に立つ立派な法衣の老人にローズが放った一言である。


「お主というやつは…」


おじいちゃんは額に手を当て呆れた顔をした。


「お前、猊下に失礼だぞ!」


アルに小声で怒られた。

私にとっておじいちゃんはおじいちゃんである。


「それで、屋上までどうやって行くの?おじいちゃんが案内してくれるの?」


わくわくしながら聞くと、さらに呆れた顔のおじいちゃんがこっちじゃ、と道案内をしてくれた。

魔法でガチガチに守られた場所なので、この教会ではそもそもおじいちゃんくらいしか、その場所に行けないらしい。

狭くて急な階段を上がるのかと思っていたら、意外にも傾斜が緩やかな螺旋階段だった。

全く知らなかったが、定期的なメンテナンスが必要なのでどの教会もこんな風に楽に上れる造りらしい。

屋上に出ると、教会より高い建物はそんなにないので見晴しが良い。

そしてど真ん中にどんと一際大きな魔鉱石が鎮座している。


「これが守りの魔道具…」

「すげぇな…」


見たこともない規模の、見たこともない純度の魔鉱石だ。


アルと二人でしばらく呆けていた。


「呆けとらんで、さっさとせんか。」


おじいちゃんの声で、はっとなって慌ててアルと手を合わせた。

静かに魔力を注いでいく。

いつもなら魔法陣が一瞬で出て来るのに、魔鉱石が大きいせいで魔法陣全てが出てくるのに少し時間がかかった。

そうして出てきた魔法陣を前に、二人で息をのんだ。


「なんて凄いの…。」

「こんな魔法陣が古代では普通にあったのか…。」


守りの指輪や王家の守りの腕輪とそう変りない魔法陣だと思っていた。

だが、この魔法陣は見事の一言に尽きる。

パッと見ただけでも3つの魔法陣が複雑につながっている。

平面でもない。

立体的な魔法陣だ。


「本当にどうやって刻めばこんな立体的になるんだ?」


「見て、アル、この魔法陣3つとも全部、あの効果が謎の魔法文字が入ってるけど真ん中の魔法陣は二つも入っているし、横から見ると層が違うわ。」


ふたりで必死に暗記して紙に書き起こしていく。

二人とも走り書きなので、かなり乱れた文字である。

気付いたことや、思いついたことも書き散らしていくので、もはや誰にも解読できないだろう。

自分でも後で読めるかなと思いつつ一心不乱に書き上げた。

満足いくまで眺めたあと、ほくほく顔で屋敷に戻った。



古代魔法の魔法陣について、おじいちゃんも知る一人となりました。

陛下が許可をしたのは、もちろん古代魔法の解明の為になると踏んだから。

教会の魔道具は教会側と国王側の両方の承認が必要なのです。

こんなあとがきに説明を入れてごめんなさい。

わざわざ入れるような話でもないかなと。

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