団欒
短めです。
両親からそろそろ帰るとの連絡を受けて数日経ったある日の夕方、ローズマリーが気分転換に庭を散策していると、頭上に馴染のある魔力を感じ空を見上げた。
「リリー!!」
バサバサと庭に下り立ち、ローズマリーに顔を擦りつけた。
「お兄様達が帰ってくるのね!知らせてくれてありがとう。」
ローズマリーは急いで玄関側に回った。
門の内側で待つのももどかしく、道に出ると向こうから馬車の一団が近づいて来ているのが見えた。
迎えに行こうと思ったが流石にメイドに止められて敷地に戻り、大人しく待った。
「おかえりなさいませ!!」
満面の笑みでローズマリーは一か月ぶりに会う両親と兄を出迎えた。
「ようやくローズも敷地内で待てるようになったのかな?」
からかうような眼差しでルイスお兄様が言った。
「そう言えば待ちきれずに馬車に飛び乗ってきた事もあったわね。」
お父様にエスコートされながら下りてきたお母様がそう言って笑った。
「わ、私も成長しているのです!」
メイドに止められただけだが。
「お疲れ様です。」
レオお兄様も出迎えに間に合ったようだ。
「ああ、レオナート執務室で話そう。」
お父様はレオお兄様と帰宅早々執務室にこもるようだ。
「夕食は一緒に食べるのでしょう?」
ちょっと心配になって背を向ける二人に声を掛けた。
「もちろんだよ。ローズ」
二人ともこちらに振り向き、しょうがないなぁというような顔で笑った。
夕食の時間、ローズマリーは一番に食卓につき、うきうきと皆が来るのを待っていた。
するとすぐにルイスお兄様とお母様がやってきた。
「やあローズうれしそうだね。」
そう言って、通り過ぎざまにローズの髪をくしゃっと乱した。
「だって、久しぶりではありませんか。それにレオお兄様もいるんですもの。」
もう、と口をとがらせて乱れた髪を直しながら言ったが、すぐに口が緩んでにこにこと笑ってしまう。
「レオ兄とは一か月ずっと一緒だったじゃないか。」
「二人だけのテーブルは余計に寂しかったですわ。」
「ふふ、まだまだ子供ね。」
お母様が嬉しそうに笑った。
二人が席に着くと、しばらくしてお父様とレオお兄様がやってきた。
二人は少し厳しい顔をしていたが、緩みっぱなしの私の顔を見ると笑い返してくれた。
「今日は、難しい話はなしにしようか。久々の団欒だ。」
そう言って父も笑った。
ローズにとってレオ兄だけいない食卓が日常なのです。




