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いたずらの規模が違う二人

このお話からしばらくは殆ど改稿前からのコピーで変わっていません。

以前読まれている方は『広がる行動範囲』まで読み飛ばして問題ないと思います。



アルトゥールは最初にプライドと言う鼻っ柱を気持ちいいくらいバキッと折られたお蔭か、拗れることなく二人は仲良くなった。

お互い魔法の話になるといつも白熱して、知らぬ間に時間が過ぎている。

あっという間に家同士を行き来するほど仲良くなった。


出会って2年近くが経つ頃、二人は古代魔法に興味を持ち始めた。

誰も解明していないそれを二人で解き明かそう!と意気込んでいた。

しかし研究しようにも古代魔法の刻まれた魔道具など簡単に手に入るものではない。


そこで二人は、歴史の長いローズマリーの屋敷の宝物庫に忍び込むことにした。

それまでに二人が考えた、あらゆる隠密魔法を自重することなく使いまくり、あっさり侵入に成功した。

思わず二人は仲のいい騎士がするように、お互いの右腕同士をクロスさせて、とんっとぶつけてクスクスと笑った。

そうして侵入した宝物庫は、流石建国当初からある公爵家だと思わせる程の量と質だった。

これだけあれば、古代魔法の魔道具の一つや二つどこかにあるだろう。


「どれが古代魔法の魔道具だろう?」


実は古代魔法の魔道具は現代魔法と違って魔法陣が見えない。

だからこそ、一体どんな方法でどのような魔法陣が刻まれているのか、全く分かっていない。

ただ、魔鉱石に魔法陣が刻まれているのは分かっている。

それ以外に考えられないからだ。

古代魔法の魔道具に必ずついている魔鉱石というものは、加工のしやすさと魔力タンクにもなる性質ため、ただの装飾にもバッテリー的な目的の為にも使われる鉱石だ。

そしてだからこそ、それが魔道具なのかただの装飾なのか魔力バッテリーなのかは、魔力を流してみないと見分けがつかない。



「うーん。何が発動するか分からないから迂闊に試せないものね。」


「まぁ武器は魔道具だった場合、攻撃魔法の確率が高いから除外するとして…」


「甲冑とかどう?ふふ」


でーんと壁際に立たされるように飾られている騎士のフルプレートを指差しながら、ローズマリーが冗談で言った。


「どうやって持ち運ぶんだよ。くはは!」


ひそひそと小さな声で話しながら、二人は妙なテンションで物色していく。


「装飾品なんてどうだ?守りの魔法とか入ってないかな?」


いくつか冗談を言い合っていると、アルトゥールが古めかしい指輪を見つけた。

それを見たとき、ローズマリーは既視感を覚えた。


「何か、見たことがあるわ…それ。どこだったかしら。」


口元に手を当てて考え込んでいると、小さな絵画が壁に立てかけられているのが目に入った。


「あ!!思い出した!ちょっと来て!」


指輪をアルトゥールの手ごとつかんでローズマリーは宝物庫を後にした。

まっすぐ向かったのは、“あの部屋”だ。

そう歴代当主の肖像画が所狭しとならんだあのお仕置き部屋である。

目を瞑ると余計に想像してしまって怖いから目は閉じられず、かといって目を開けていると発狂しそうなこの場所。

すべてが視界に入るから怖いのだと悟ったローズマリーは、他に比べて少し大きい肖像画の前にべったりと張り付いた。

そしてその肖像画しか視界に入らないようにして、お仕置きを乗り切った。


確かその時見ていた当主がその指輪をしていたはずだ。

目が合うと怖いから、首から下ばかり見ていたので覚えている。


「あ、やっぱり!ほらここ!」

「あ、本当だ。そっくりだ。」


アルトゥールは指輪を見比べていった。


「でね、ほらここにセルゲイ・ブラントミュラーって書いてあるでしょ?」


肖像画の下の金色のプレートを指差した。


「私この人の手記読んだことがあるんだけど、この当主の時代って丁度スラウゼン公国がロザインとフィノイスに分かれた時で、この人も内戦に巻き込まれて殺されかけたんだけど、生還したんだって。指輪に守られたって書いてあったの!」


「って事はこの指輪は…守りの魔法が刻まれた魔道具か!!」


「多分そうだと思うの!!」


「念の為、外で魔力を込めてみよう。」


「うん!」


果たして二人は古代魔法の魔道具を手に入れた。

だがしかし、もちろんバレて“あの部屋”に閉じ込められたのは言うまでもない。

閉じ込められただけじゃなく、それはもうめっちゃ怒られた。

でもアルトゥールは家に帰った後だった。


私だけ怒られるなんて理不尽!

アルトゥールが来たら絶対あいつにもお仕置きしてやる!!


なんて事を、怒られている最中に考えていたとは、叱り飛ばしていた公爵は知らない。

そして常識というものを一から聞かせていた公爵は、まさか神妙な顔をして話を聞いている娘が、実はお仕置きの手段を考えていただけだったとは、幸いなことに気づいてはいない。


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