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060 予定外

ハリーと二人きりになったので、早速ダンジョン探索を始めた(勿論デコピン刑の後)。


1~3階は素人でも入れるくらいモンスターが弱いそうで、そのせいか全然出てこない。

多分だけど、出現してもすぐに殺され、肉になるのだろう。


それを証明するように、素人っぽいヘルメットだけ被っただけの冒険者(?)と、何度もすれ違った。

まぁ、俺も人の事言えない素人っぽい装備なんだけどね。

ってか、完全に素人なんだよな。


ここに居ても何も出来そうに無いので、4階以下を目指す事にした。

すれ違った人に話を聞いた所、1~3階は罠も無く、1本道だそうだ。

進んだ先に下へと続く階段があり、降りるだけで良い。


降りた先には泉があり、そこの周囲には何故かモンスターが出ないようになっているらしい。

昔に訪れた冒険者がその範囲を調べて杭を打っているので、範囲が分かるようになっているそうだ。

中で過ごす場合は、そこで休めば良いとの事。ちなみに泉の水は飲めるんだとか。


しかも親切な事に、近くに10cmくらいの穴が空いているらしい。

その穴はどこに繋がっているのか判らないけど、皆がトイレとして使っているそうだ。

現在まで詰まった事が無いので、ダンジョンが吸収してると信じられているみたい。


トイレとして使える穴か。気になるな。

調べたいが、壊す訳にもいかないだろう。なにせダンジョン内の唯一のトイレだ。

そうなると……。


「ハリー、トイレの穴の中に入って、どうなってるか調べてきてくれないか?」

『アホか! 行く訳無いだろ!』


拒否された。

俺なら喜んで行くんだがなぁ。

前世の俺なら紐の先にカメラ縛って、中に入れて調べるのだが。


そんな話をしつつ歩いていると、最初の階段に到着。

降りると、確かに目の前に泉と言うか、鍾乳洞内にある水たまりみたいな感じな物があった。

大きさは直径2mくらい。その縁から3mくらいの所に杭が打ってある。

つまり泉の中心から半径4mがセーフティーエリアのようだ。

焚き火をしたような跡もあり、火を使っても大丈夫らしい。


周りをぐるりと歩いてみると、少し陰になったような所に穴があった。これがトイレか。

目隠しっぽくなってるなんて、気配りの出来たダンジョンだなぁ。

まぁ、そうやって人間を呼び寄せるのが仕事なのだから、最適化するのは当然なのだろうけど。




泉の水も飲んでみたりして軽く調べたので、先に進む。


さほど時間もかからずに4階へ到着した。

ここまで戦闘は1度も無し。逆にすれ違った冒険者は20組。

サーチアンドデストロイなんだろうなぁ。


ちなみに、すれ違った冒険者と交渉して、その階層で得た肉を売ってもらって来た。

1階は鶏肉の手羽、2階は鶏肉、3階は丁寧な事に鶏肉(骨無し)だった。

4階からは四足動物の肉が出るという情報も貰った。


さて、ここからは素人冒険者は入らない階層。

警戒しながら進もう。


『警戒? 俺は獣だぜ? お前よりも気配とかに敏感だってーの。任せとけって』


ハリーからの頼もしい発言が。

助かる。では俺は色々と観察させてもらおう。



……進めど進めどモンスターが出て来ない。

俺はモンスターやそのモンスターが発生する所を見たいんだ!

どうなってんの?!


『いや、気配はあるんだけどな? 必ず遠ざかるんだよなぁ……』

「じゃあ、今度感じたら、そっちに走って行ってみるか?」

『そうだな。……って言ってるそばから反応があったぞ! そっちだ!』


分かれ道の左側に走る。

これで行き止まりなら確実に遭遇出来るんだけどな。


『ストップ! ……おいおい、気配まで移動したぞ。ってか移動って言うより逃げた感じだ』

「どうなってんだ?」

『もしかして、精霊の気配とか判るのかもな』

「なるほど。ビビって近寄って来ないって訳か」

『後は……ラノベとかなら、ドラゴンの匂いとかを感じて近寄ってこないってのもあった』

「ありえそう!」


俺達にはたっぷりとドラゴン臭が染み付いているだろう。

それを感じられるのなら、恐れて近寄ってこないよな。

いや、違うな。恐れるのではなく、意味が無いとダンジョンに思われているかも。

だってドラゴンに雑魚モンスターを放っても倒される未来しか無い。

ダンジョンはモンスターで侵入者を倒したいのだから。


「……なぁ。もしかして最下層までモンスターが出ない可能性もあるよな?」

『心配すんなって。ラノベではそういうのを気にしないモンスターが襲ってくるから』


ラノベ基準、次々と失敗してたじゃん!

……どこに安心出来る要素があるのだろうか?

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