005 起きました
「…………う~ん、ここは?」
『おっ、起きたか』
「はい、起きましたよ…………って、ドラゴンが目の前に居る?!」
『お前が私の巣に来て寝たんだろうが』
チョット待ってプリーズ。
シンキングタイムに入るから。
……
…………
………………
本当だ! 俺が不法侵入者だ!
「え~と、寝てた間、見張ってくれてありがとうございました」
『見張っては居なかったぞ。どちらかといえば放置してた』
「何で?!」
『キモいから』
ドラゴンにキモいと言われた。
「何でだよ!」
『いやな? 唸ってるし、ウネウネ動くし、突然飛び起きて排尿排便しに行くし、寝ながらそこら辺の草食うし。
これをキモいと言わずに何と言う?』
確かに寝ていてそんな動きしたらキモいけどさ。
「で、でも、全然覚えてないぞ!?」
『だから寝ながら行動してたんだろ? ほら、アレだ、え~、そうそう、夢精病ってやつだ』
「それ言うなら夢遊病だろ?! それだと本当の変態みたいだから止めて!!」
でも、本当に何も覚えてないんだよなぁ。
『そんな事よりも体調はどうだ?』
「ん? あ、ああ! 思い出した! 死にかけてたんだった!
体は……楽だ。と言うか、体が軽い気がするわ」
『体が軽いのは気の所為じゃないぞ? お前、ガリガリだからな?』
「へ?」
自分の体を確認する。
……うわ~、俺、即身仏?ってくらいガリガリだわ。
このまま埋葬されても不思議じゃないくらい。
「……なぁ。俺、生きてるよな?
ゾンビとかグールになってないよな?」
『あいつら特有の腐った匂いがしないから、生きてるんじゃないか?
それとも、腐肉でも食いたいのか?』
「そんなもん食いたくないし。今は……のどが渇いたかな?」
『水ならそこに湧き水がある。そこで飲め。というか、いつもそこでお前は飲んでたがな』
言われた場所に言ってみると、そこは池だった……。
湧き水って言われると、チョロチョロと岩の隙間から出ているイメージだったのだが。
あっ、そっか。ドラゴンのサイズなら、これでも湧き水か。納得。
池の水で喉を潤すと、今度は腹が減ってきたのを感じた。
「腹も減ったなぁ。俺の持ち物はどこに行ったかな?」
見回してみるけど、発見出来ない。
しょうがないので、ドラゴンに聞いてみる。
『お前の持ち物? あぁ、中が腐敗して臭かったから捨てたぞ』
「マジか~。そんなに足の早い物入れてたかなぁ?」
『……お前、現実が見えてないみたいだから教えてやる。
お前が寝てから、200年くらい経過してるからな?』
「え~、200時間も経ってるのかよ~」
『現実逃避すんな。200年だ200年』
「人間はそんなに長生きしません。あり得る期間とするならば20年くらいじゃないか?
勘違いしてないか?」
『人間の寿命なんぞ知らぬ。だが200年は経っている。間違いない』
「信じない! 俺は信じないぞ!」
『信じるか信じないかは貴方次第です、なんだが。
まぁ良い。食って元の体に戻れば理解出来るだろ』
何をテレビ番組みたいな事を言ってるんだよ!
と、とにかく、何か食わなきゃ!
検証はそれからだ。




