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022 専属契約

魔法を使えなくする方法は他の匂いも検証するらしい。

俺も加わって研究したい。逆に集める事の出来る匂いもあるかもしれないしね。


「魔法を使えなくなるという事で思い出したのですが……」

『ん? 何だ? 言ってみろ』

「は、はい。近年、火を使う魔法が発動しなくなったのです。

 妖精や精霊に何かあったと考えれば辻褄が合います。何か知っている事はありませんか?」

『ああ。知っているぞ』

「本当ですか?! それはお教え頂けますか?」

『教えるも何も、原因は目の前に居る』


ドラゴンの視線を感じる俺。

他の人の視線も自然と集まってくる。

……えっ?! 俺が原因なの?!


「え~と、どういう事でしょうか?」

『先程も言った通り、精霊は1対しかおらぬ。

 その片方はドラゴンである我と契約をしている。残った片方がそやつと契約した。

 だから契約をしていない精霊が居なくなった為に、妖精が要請しても発現しなくなっただけだ』


なんという新事実!!

精霊は契約をすると、他の仕事はしないらしい!

専属契約だったのかよ!


「チョット待って! 俺は悪くないよ! だって俺だって精霊とか見えないし話せないんだから!

 そこのドラゴンが契約しろって言ったから、知らずに契約しただけだよ! 本当だよ!」

「…………確かに知らなければ契約してしまうかもしれんな」

「ですよね! 契約すれば簡単に使えるようになるって言われたらしますよね!」

「しかし、その時に、今聞いたような話を質問しなかったのか? 質問好きなお前が?」

「質問する前に、ドラゴンが話をドンドン進めてたんですよ?!」

「………………それにしても、聞きたくなかった真実だな」


俺も知りたくなかった。

世界中で使えなくなったのは俺のせい、なんてシャレにならん。


「……その、解約とかは出来ないものなのでしょうか?」


おおっ! 師団長さん、良い事言った!

それっ! それな! 解約すれば問題は無くなる!


『解約するなんて言えば、怒って逆に暴走するぞ?

 弱火で頼んでも街を焼き尽くす程の炎を出すとかするかもしれん』

「そ、それほどに契約は大事なのですね……」

『そういうが、それは人間も同じであろう?』

「た、確かにそうですが……」

「か、解決策は! 解決策は無いのでしょうか?!」

『ふ~む、そうだなぁ……。ま、ここで考えてもしょうがない。本人に聞いてみた方が早い』


そう言うと、ドラゴンは見えない何かと会話を始めた。

もうここに来てたのか。聞かれてたらヤバかったか?


『……うむ、判った。そう伝えてみよう』

「ど、どうですか?」

『まず、契約内容は秘匿。次に捧げ物を倍にする事。

 最後に、こやつが火を使っていない時だけは弱火に限って使用可能にする。

 ただし、こやつが使う場合は、他の者は使用不可になる。で、どうだという提案だ』


俺には大したデメリットは無いな。せいぜい捧げ物が倍になるだけだ。

他の人は弱火なら使えるようになる。

良いんじゃないでしょうか?


「弱火というのは、どの程度でしょうか? 聞いて頂いてもよろしいでしょうか?」

『……薪に着火する為の火程度だそうだ』

「ありがとうございます」


つまり攻撃魔法としては使えないって事か。

それでも無いよりはマシだろう。

今までライターを使ってたのに、火打ち石で着火しなきゃならなくなってたような事でしょ?

それがマッチは使用可能になるって事だ。


「……その程度であれば………………今と変わらないですね」

「そうなんですか?」

「魔石を使えば、着火くらいは出来るからな」


へ~、そうなんだ。

俺が学者だった頃は、まだ魔石は使用方法が分からず研究中だったからねぇ。


「魔石は精霊の管轄じゃないんだ?」

『あれは星の管轄だ。ダンジョンで出てくる物になっている』


そうだったんだ。

魔石は研究所に置いてあったので、採掘場所までは知らなかったわ。


「ってか、ダンジョン! そう! 魔石も気になるけど、ダンジョンについて教えてくれ!」


気になってたんだよ、ダンジョン!

ファンタジーで定番のアレ! 気になる~!

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