001 プロローグ
新連載です!
4話くらいまで、連続投稿します。
俺は子供の頃から何にでも興味を示す子供だったらしい。
良く言えば好奇心旺盛、悪く言えばウザい。
何かに付けて「何で?」と言ってたそうだ。
「石は何で石なの?」という哲学的な事まで言ってたらしいので、両親は相当ウザかっただろう。
しかも疑問に思うと、解決するまでその場を離れなかったそうだ。
そういう時は父親が担ぎ上げて運んでいたと言っていた。スミマセン。
そんな幼少期を送ってた俺が学者を目指すのは、当然の流れと言えるだろ?
学者になる為の勉強は苦じゃなかった。
なぜなら勉強する事で知らない事が理解出来て行くのだから。
村の中では神童と呼ばれる事もあったが、俺的には違うと思っている。
自分の欲を満たす為に勉強しているだけなのだ。
ほら、昔から言うだろ? 興味のある事は覚えるけど、興味無いと頭に入らないって。
ま、神童と呼ばれる事に優越感を覚えていたので、否定はしなかったけどね。
我ながら嫌な子供だと思う。
さて、めでたく学者になる事が出来、村からはバンザイ三唱で送り出されたんだが。
……ここから俺の人生が変わった。変わってしまったんだ。
今までは狭い世界での勉学だった。
しかしこれからは色々な分野の一流どころが揃っている場での勉学。
そう! 広い世界に解き放たれたのだ!
コレが災いしたんだよね。
幼少期に戻ったような状態になってしまったんだ。
つまり何にでも「何でそうなるんですか?」と聞くようになってしまった。
聞きたい知りたい事は山のようにある。
そしてその答えがこの研究所にはあるはず。
そうなれば調べまくったり聞きまくるのは、当然。
おっと、いけない。学者の癖かな?
変わってしまった理由をまだ言ってなかった。
そう、この「『何で』ちゃん」は序盤〜中盤にすぎない。
起承転結で言えば、承くらいか?
俺が変わってしまった理由。
それは先生達の回答にあるのだ。
例えば……皆も一度は思った事が無いだろうか?
「空は何で青いの?」
こういう疑問を先生に問うたところ、「空気があるから」とか「朝と夜が変わるから」とか言われたのだ。
そこで掘り下げ「どういう事ですか?」と聞くと色々とまた回答が帰ってくる。
しかし納得のいく回答を得られない場合、さらに掘り下げて聞く。
そして……最終的に帰ってくる答えが衝撃的なものだったのだ。
「神様がそういうようにこの世界を作ったから」
確かに神様は居る。
見えなくとも居ると感じるし、年に一度は教会に神託が降りるらしい。
でも! 俺はその回答では納得出来ないんだよ!
最後の最後にはそれでもいいさ。
でも、その最後の部分まで到達してないじゃないか!
煙に巻かれて死ぬ。何故?
煙は空気じゃないから。空気との違いは?
煙には色があるが空気には無い。色の違いだけで死ぬの?
煙には害になる成分が含まれている、それが色の正体。それはどんな成分?
神様が作られた成分だ。それを調べるのは不敬。
こんな答えで納得しろと?
困った事にどの先生も最後にはそこにたどり着いてしまう。
俺に言わせれば、それは思考停止だ!
神様を利用して逃げているだけだ!
だが、それを言う事は出来ない。
それは神様を否定する行為と見做されるからだ。
でも、でも…………俺は俺が納得出来るまで調べたいんだ!!
って事で、ここからが現在の俺。
起承転結で言えば、転になるのかな?
俺はいつものように疑問に思った事を生物学の先生に聞いてみた。
「ドラゴンは何で強いんですか?」
「ドラゴンだからだ」
「いえ、そういう事じゃなくてですね」
「はいはい、分かってるよ。
人間の数十倍の大きさがあり、力も強いし、ブレスもはく。鱗は硬く刃も通らない。だから強い」
「では、自分は見た事無いのですが、子供のドラゴンも強いのですか?」
「当然だろう? 子供でもドラゴンはドラゴンだ」
「しかしですね、森に出没する狼ですが、子供の狼は弱く簡単に倒せると聞きますよ?
その定義で言えば、ドラゴンも生まれたては弱いのでは?」
「馬の出産を見た事があるかね? 馬は生まれてすぐ立ち上がるのだ。
つまり動物は、生まれてすぐに外敵に対処出来るようになっている」
「しかし、生まれて数秒で立ち上がり走り回る訳ではないでしょう?
その間は対処不可能ですよね? ドラゴンも同じなのでは?」
「いや、ドラゴンは生まれてすぐでも強い」
「何故です?」
「そのように神様が作られたからだ」
「しかし…………」
「またいつもの“しかし”が始まった……。そんなに疑問に思うなら自分でドラゴンの巣に行ってでも調べたまえ!」
今なら理解出来るが、普通はこれは皮肉で言った言葉だ。
しかし当時はそう思わなかった。
単純に、調べる許可を貰えた!と思ってしまったのだ。
で、その足で必要な道具を全て揃え、ギルドに行ってドラゴンの巣の情報を集め、3日後には旅立った。
そして……なんやかんやあって、今。
俺は…………死にかけてます。
こうやって思い出すのが走馬灯というものなのかなぁ。
そういう仕組みなのだろう?




